映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「かぞくはじめました」

 Amazonで表示され、レビューの評価も結構高かったので観てみた作品です。
 


かぞくはじめました (字幕版)

 

【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|かぞくはじめました


作品データ映画.comより)
監督 ブレッグ・バーランティ
原題 Life as We Know It
製作年 2010年
製作国 アメリ
上映時間 115分
映倫区分 PG12

内容(公式サイトより)
 女性なら誰だって、恋にキャリアに理想の人生を思い描いているはず。運命の相手とめぐり会って恋におち、素敵な家庭を築きたい。憧れの仕事に就いて、充実した毎日を送りたい。でも、ひょっとすると、あなたのその〈完璧な人生設計〉が、幸せをジャマしているのかも?!
 ホリーの人生設計も、完璧だった。おしゃれなベーカリーの経営が軌道に乗り、もうすぐ念願だったレストランに改装する。恋愛だけは予定に反して、まだ運命の相手が現れずにいたが、ホリーは気ままな一人暮らしをそれなりに楽しんでいた。ところが、そんな彼女の計画が、一瞬にして崩壊する。家族同然の親友夫妻が事故で急死、たった一人遺された娘ソフィーを育てることになったのだ!しかも、共同後見人に指名された男、メッサーと共に!夫妻からソフィーの名付け親を頼まれて、何かと顔を合わせてきた二人だが、実は互いに相手が“キライなタイプNo.1”だった。ホリーは子育てとムカつく相手との共同生活という、未知の世界に踏み出すのだが──。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 公式サイトに書いてあるように、物語の内容としては、親友夫妻が突然事故死し、残された赤ちゃん(ソフィー)の後見人として指名されていたホリーとメッサーが、親友夫妻が残した家で一緒にソフィーを育てていくという物語です。

 で、ソフィーを育てていく内に、最初は犬猿の仲だったホリーとメッサーが惹かれあり、ソフィーを育てるパートナーとしてだけでなく、お互いのパートナーとなっていく、という展開です。

 自分が産んだというか、望んだわけではなく、突然赤ちゃんを育てることになるという設定と、犬猿の仲だったけれど、一緒にいる内に惹かれ合っていくという設定の組み合わせ自体は新しさを感じました。
 けれど、突然赤ちゃんを育てることになるという物語は映画よりも漫画で割とよく見かけるものですし、犬猿の仲だったり、イヤだと思っていた相手と一緒にいる内に仲良くなるという物語は現実でもよく見聞きする展開です。

 なので、それぞれの展開自体には目新しさはなくて、両者が組み合わさるという点が目新しいなと思うのですが、イヤだというか、ネガティブなイメージを持っていた(第一印象が最悪だった)相手ではあったとしても、この作品の場合、その後何年間も会って話す機会があったので、惹かれ合うとしてもそこまでおかしくないように感じました。

 これがまだ出会ったばかりで、第一印象が最悪なまますぐに子どもを育てることになるのだったら、急すぎる展開ですが、最初に出会ってから何年も経ち、親友夫妻を通してそれなりの時間を一緒に過ごしてきたという、その「時間」がこの展開には必要だったのだと思います。

 が、この「時間」の部分をこの作品ではあまり丁寧に描いておらず、親友夫妻が亡くなり、ソフィーを育てるというところからの「突然」の展開のように描かれていました。

 まぁ、「突然」急に惹かれ合ってそのまま何年もうまくいく人間関係もあるのでしょうが、恋愛だけでなく、友だちとかの人間関係含めて、最初は会う頻度とかが重要かもしれないけれど、継続していくときには、年に1回必ず会うとか、実際に会えなくても、(年賀状が良い例ですが)特に何も用事があるわけではないけれど、たまに連絡を取るというような、そういう「時間」の積み重ね(関係のメンテナンスと言っても良いかもしれません)が重要なんじゃないかな、と僕は思うので、そういう面がもっと強調されていたら良かったと思いました。

縄文杉を見に屋久島へ(桜島編)

 2泊3日で縄文杉を見に屋久島へ行ってきた話、今回は3日目の最終日に寄った桜島がすごく良かったので、それについてです。

縄文杉を見に屋久島へ(日程編) - 映画と本と自分と山
縄文杉を見に屋久島へ(写真編) - 映画と本と自分と山

 今回の旅の目的は「縄文杉を見に行くこと」、これだけでした。
 なので、縄文杉を観に行く方法やルート、必要なものについては調べたのですが、その後の行動、つまり、屋久島から鹿児島市内に戻り、飛行機の時間までどうして過ごすかは全く考えていませんでした。

 さて、どうしようか、と空港に行く時間も決まっているので、鹿児島市内からあまり離れること無く、どんなところが観光に良いかな、と調べてみたら、桜島が出てきました。
 ニュースでは「桜島が噴火した」というのは度々耳にしていたものの、鹿児島市中心との距離感もよく分かっていませんでした。
 調べてみたら、フェリーで15分ほどで行けるということなので、屋久島から高速フェリーで戻ってくるのだから、そのまま桜島に行ってみることにしました。

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桜島へのフェリーターミナルです。
続いている港ではありますが、屋久島からの高速フェリー乗り場からは歩いて10分ちょっとかかりました。
 

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桜島へのフェリーは1時間に3~4本出ているので、乗り遅れを心配する必要が無かったのと、ICカードが使えたのが良かったです(屋久島のバスは現金しか使えませんでした)。

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 ということで、フェリーに乗り、桜島へ。
 約15分で到着しました。

 ここからどうしたのかというと、1時間に1本出ているサクラジマアイランドビュー(周遊バス)に乗って観光しました。

サクラジマアイランドビュー(循環バス) - みんなの桜島

 

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 僕が桜島に到着したのがちょうどバスの出発時間だったので、ほぼ1時間待つことになりましたが、この周遊バスに乗らないと1時間ではとても行けない展望台にも行け、何より500円だったので良かったです。  

 

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 周遊ルートで何分間か時間をくれるので、長渕剛のコンサートで何万人もの観客が来た場所だとか 

 

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 展望台だとかに連れて行ってもらえ、写真を見たりする時間も十分にあったので、限られた時間で回りたいと思っていた自分にとってはとても良かったです。

 

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 その後またフェリーに乗って戻り、高速バスで空港へ。
 鹿児島空港では空気も澄んでいて、満月と霧島連山と飛行機の対比がとても綺麗でした。

「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」

 子どもたちから「観たい」というリクエストがあったので、子どもたち3人と一緒に観に行ってきました。
 なんか子どもたちとの面会は僕と映画を観る、という流れが定着しつつあるような感じになってきていますが、長男は中学生になったので、いつまでこれが続くのだろうか、とも思ったりします。

 

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『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』公式サイト

 

作品データ映画.com より)
監督橋本昌和
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 100分

ストーリー(公式サイトより)
オーストラリアの秘境”グレートババァブリーフ島”で、いまさら初めての新婚旅行を満喫中の野原一家。その夜突然ひろしが消えた。
探しに出かけてしんのすけたちが見たものは、仮面族の村で行われていたド派手な結婚式に参列する、花婿姿のひろし!
宝欲しくば、花婿贈れ、天の指輪輝くとき……
その島には、50年に一度、金環日食の日にお姫様に花婿を差し出すことで、ご褒美としてお宝が得られるという伝説があった。
その花婿に選ばれてしまったのが、ひろしだったのだ。
まさかの”ひろし”=お宝のカギ!!
仮面族VS世界中のトレジャーハンターVS野原一家の、超熾烈な三つ巴のひろし争奪戦!!!!果たして、しんのすけたちは、ひろしを奪還し、無事に春日部に帰ることができるのか!?
大冒険の先に、野原一家が見つけたものとは…!?

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 「主夫」として毎日何時間も一緒にいた去年までの生活だったのが、突然2ヶ月に1回くらいの面会になったのですが、限られた面会だからこそ、家族って何なんだろうとか、どう過ごすのが一番良いんだろうかとか考えてしまいます。
 考えたところで親子関係の正解はなくて、僕の中では「続いていく」ということが一番重要かなと思っています。
 とりあえず、子どもたちは「映画を観たい」ということでも、こうして関係が続いていっているので、これで良しと受け止めています。

 で、今回の映画は「クレヨンしんちゃん」。
 今までもクレヨンしんちゃんの映画は子どもたちのリクエストに応えて何回か一緒に観てきましたが、今までの作品と全くちがったのは、しんのすけの母であるみさえが主人公だったことです。

 今までの作品で活躍するのは、しんのすけはもちろん、しんのすけの友だちである、まさおくん、ねねちゃん、ぼーちゃん、かざまくんだったり、父ひろしでした。

 みさえが中心となって展開していく作品は記憶にありません。
 もちろん途中で活躍する場面がある作品はありますが、そういう意味ではペットの犬シロと同じような扱いです。

 ですが、今回は誘拐されたひろしをみさえが探し求めていくという展開で、終始みさえが中心となって物語が進みます。
 所々で出てくる台詞などで、みさえがいかに家族ことを考えているか、あるいは「女性」ということで色んなものを背負っているかが触れられます。
 赤ちゃんであるひまわりを育てているので、「こんなに重いものいつも持ってるの!?」とバッグの中を具体的に言うシーンがあるなど、世の中の「母」たちが物理的にも沢山のものを日常的に背負っていること、それが当たり前だからこそ、他の人には全く知られていないことを描いています。

 野原家は、ひろしが働き、みさえが専業主婦という昭和の家族像(参照:専業主婦世帯と共働き世帯の推移 - 厚生労働省)を前提としているので、仕方がないと思うのですが、それでも女性が沢山のものを背負っていて、シャドーワーク(見えない仕事)をこなしていることを伝えようとしているのが分かります。

 クレヨンしんちゃんの漫画の連載が始まったのが1990年で、ちょうど専業主婦世帯と共働き世帯が同じくらいの割合の時期だったので、男性が働き、女性が専業主婦という「家族の形」になっているのは、仕方がないことだと思います。

 が、今回の映画では、中途半端に、現代日本の女性を取り巻く負の状況をみさえを通して描いている気がしました。
 中途半端というか、数年前に騒がれていた内容を描いている、つまり、「もうその議論は終わって、次の段階に進んでいるのでは?」と感じました。
 具体的には、女性「だけ」に家事育児が押しつけられているということはある程度周知されていて、今はそこから進んで、「だからといって男性に何もやらないと怒っても仕方がない。むしろ、男性たちもいろいろなものを押しつけられている。それがおかしくないか?」という議論になっていると思うのです。

 もちろん、女性たちが「当たり前」のように家事育児の中心を担わされている現状は変わりませんし、未だに多くの家庭ではそのような状況にあるのも分かります。
 けれどというかだからこそ、「周りの人たちからは見なくて、知られていないかも知れないけれど、女性たちはいろんなものを背負っている」ということを伝える内容では物足りなくて、それでも女性たち(というかいろんな家族)の背中を押すというか、勇気づける展開にして欲しかったと思います。

 子ども向け映画ですし、クレヨンしんちゃんなのでもちろん所々笑えるシーンはあったものの、社会問題絡めるならもっとちゃんと絡めて欲しいし、勇気づけたり、それでいいんだよと認めたりして欲しいと思いました。
 もしそれが出来ないというか今回のような中途半端に「女性は色んなものを背負っている」「女性は強い」みたいなものを見せられるのであれば、そんなもの全く抜きにした展開にすれば良かったのにな、と思いました。

縄文杉を見に屋久島へ(写真編)

 一昨日書いた屋久島への旅を今回は写真で振り返ってみたいと思います。

 まずは1日目。
 鹿児島本港から屋久島まで高速フェリーで向かいます。
 

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 右にある高速船(トッピー号)で屋久島へ。
 後ろに写っているのは桜島です。

  

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 2時間弱で屋久島(宮之浦港)に到着。
 すごく天気が良かったので、明日も頼むと心の中で祈りました。 

 

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 宮之浦港からすぐそばにある屋久島環境文化村センター
 ここで明日の縄文杉に向かう入口になる荒川登山口までの登山バスチケットを購入しました。
 確か月曜日休館とかだったので、ここで荒川登山口までのバスチケットを購入予定の人はちょっと注意が必要です。
 印象的だったのは、スタッフがみんな割と若い女性だったことと、皆同じモンベルの洋服を着てたのと、外国人旅行者も多いからか外国人スタッフも多かったこと、そして、屋久島の自然を伝える映画館のような所で観る映像のナレーションが阿部寛だったことです。

 ということで、この日は明日に備えてのんびりしつつ、早めに寝ました。

 

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 朝2時半とかに起きて、朝食を取り、4時頃のバスで屋久杉自然館行きのバスに乗りました。
 普通2時半起きとか辛いと思いますが、僕は不眠症早朝覚醒)なので、初めて自分が不眠症なのを感謝しました。 

 屋久杉自然館から荒川登山口までのバスに乗り換えるのですが、ここで思わぬ出来事が。
 それは、混んでいて、すぐには乗れなかったことです。
 屋久杉自然館まではマイカーでも行けるので、レンタカーを借りた人たちは既に到着していて、満員のために乗れませんでした。
 ということで2本バスを見送り、3本目のバスにようやく乗れ、荒川登山口へ。

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 20分くらいバスを待ったとしてもまだ6時前だったので、まだ暗く、寒かったです。
 ここから往復22km、標高差700m(上り下り合計1400m) の縄文杉まで歩いて行きます。

 

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 道のりの半分以上はこのようにトロッコ道になっています。
 なので、22km全部山登りというよりは、半分以上はこういった平坦な道をただひたすら歩いて行きます。 

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 トロッコ道が続いていくといっても怖かったのは、この写真はまだ手すりがある橋ですが、手すりのない橋もあり、そして、川幅が広い橋は道が氷結していたことです。
 ただでさえ高所恐怖症なのに、転んだら終わるな、とか思いながら橋を渡りました。 

 

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 倒れてしまっていますが、翁杉という樹齢2000年以上だとされている杉の跡で、10年前くらいに倒れているのが発見されています。 

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 ウィルソン株。
 豊臣秀吉の命令により大坂城築城の為に切られたといわれる杉の切り株です。 

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 ウィルソン株の中は空洞になっていて入ることが出来ます。
 中から観るとこんな感じになっているのですが、なんか一つの方向からみんな上を見上げてるなと思っていたら、実はハート型に見えるそうです。
 僕は知らずにいたのでハート型の写真は撮れませんでした… 。

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 写真の色が少し明るいですが、もののけ姫の舞台になったということがよく分かるような、コロボックルが出てきそうな雰囲気の場所が沢山ありました。
 実際、1人だったこともあり、コロボックルではなく、サルと鹿が結構いました(九州以南にクマはいないで怖くないですが)。

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 トロッコの分岐とかまだ残ってるんだ、すごいなぁ、とか思っていたら、あとで分かったことですが、まだ現役のようです。
 このあと一気に厳しい山道に入ります。 

 

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 が、1年ぶりの山登りにしては割とすんなり縄文杉に到着。
 この時点で先客が50代くらいの夫婦とみられる2人だけで、ゆっくり観ることが出来ました。
 

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 展望台が整備されているので、見やすかったのですが、逆にあまり近くにも寄ることが出来ないようになっていました。
 この時点で午前9時頃。
 予想よりもあまりにも早く着いてしまったので、どうしようか考えつつ、少し上の新高塚小屋の途中まで行ってみたのですが、計画を立てていない行動は取らないことにしているのでやっぱりやめて、引き返すことにしました。 

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 行きはひたすら縄文杉まで着きたい、という一心でしたが、帰りは時間がたっぷり合ったので、景色をゆっくり観ながら引き返しました。 

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 しかも、まぁ、これはある程度予報通りだったのですが、朝(お昼近くまで)は晴れていたのですが、どんどん曇ってきて、後で雨も少し降ったので引き返して正解でした。 

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 宮之浦岳方面を観ると、まだ雪が残っているのが見えました。
 

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 ※写真を横にしているわけではありません。

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 ちょうど季節的に、雪解け水が沢山川に流れていて、川の水がものすごく澄んでいました。
 こんなに澄んだ水を観たのは初めてです。
 

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 こういう道を観ると自然のすごさと共に、人間ってどんなところにも道を作ってすごいな、と思います。

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 帰り道はゆっくり景色を楽しみながら戻ってきたものの、結局バスの時間まで2時間も待つことになりました。
 その間、屋久島自然協会(?)の方からたんかんを頂いたり、千葉から来た青年(明らかに装備が不十分なのに宮之浦岳に登頂しようと思っていたらしい。引き返して正解です。)と話をしたり、時々現れたりケンカしているサルを眺めていたら、林野庁の職員が来てなにやら倉庫に入っていく。

 と思ったら、トロッコを動かし始めました!
 これは本当にラッキーでした。
 最初、トロッコがまだ使われているとは思っていなかったので、余計に本当にトロッコを使っている場面に出会えて、帰りのルート変えとけば良かったと思っていた気持ちも吹き飛びました。

 そういえば、一番大切なことを書き忘れていましたが、屋久島に行くときは【現金】しかも、【千円札】を沢山用意しておくと良いです。
 バスはICカードも高額紙幣も使えないので、千円札が何枚もあると良いと思います。

つづき→縄文杉を見に屋久島へ(桜島編) - 映画と本と自分と山

「あゝ、荒野」(後篇)

 先日の続きで、「あゝ、荒野」の後篇です。
 今回もAmazonプライムで観ました。


あゝ、荒野 後篇

 

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 映画『あゝ、荒野』 | 10.7前篇/10.21後篇 2部作連続公開

 
作品データ映画.comより)
監督 岸善幸
製作年 2017年
製作国 日本
配給 スターサンズ
上映時間 147分
映倫区分 R15+


ストーリー(公式サイトより)
ふとしたきっかけで出会った新次とバリカン。
見た目も性格も対照的、だがともに孤独な二人は、ジムのトレーナー・片目とプロボクサーを目指す。
おたがいを想う深い絆と友情を育み、それぞれが愛を見つけ、自分を変えようと成長していく彼らは、やがて逃れることのできないある宿命に直面する。
幼い新次を捨てた母、バリカンに捨てられた父、過去を捨て新次を愛する芳子、
社会を救おうとデモを繰り広げる大学生たち・・・
2021年、ネオンの荒野・新宿で、もがきながらも心の空白を埋めようと生きる二人の男の絆と、彼らを取り巻く人々との人間模様を描く、せつなくも苛烈な刹那の青春物語。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 前篇は東日本大震災や特殊詐欺、シングルマザーの貧困と売春することで成り立つ生活、高齢化、在日あるいはダブル(ハーフ)といった社会問題がちらほらとだけど、欠かすことの出来ない背景として描かれていました。

 しかし、この後篇では、その前篇を踏まえているので、社会背景を逆に抜いて、その社会で生きている、新次とバリカン(健二)、あるいは新次と芳子、健二と恵子、といった一対一の関係に重点が置かれています。
 新次と健二に一番焦点が行くのはもちろんなのですが、恵子を(結果的に)拒否することになる健二や、新次から去って行く芳子、つながり受け入れると行った途端にさめていく芳子の母セツと、それぞれ人とつながることの難しさというか、つながりたいけれどうまくつながることが出来ないそれぞれの姿が印象的でした。

 前篇後篇合わせてセックスシーンが度々出てくるのですが、僕が見てきた今までの日本の映画の中ではその数が多いので、なんでここまで描くのだろうか、と少しだけ疑問だったのですが、それは、人との人とがつながるとはどういうことなのか、ということを描いているからなのかと思います。
 言葉にするととても陳腐になってしまいますが、肉体的につながっていることは、精神的につながっていると言うことではなく、肉体的につながることを受け入れていても、それは精神的につながることを受け入れている訳ではない。

 この映画(あるいは原作の寺山修司)は愛とか性とか、そういうことの前に、人は人とのつながりを求めているんだ、ということを伝えたいのかな、と。

 それに対して、人とのつながりとかの前に愛とか性とかが来るという人もいるでしょうし、肉体的につながっているからこそ精神的につながることが出来るという人、精神的につながるからこそ肉体的につながることが出来るという人と、色々な人がいるでしょうが、自分はどうだろうか、と考えさせされる作品でした。

縄文杉を見に屋久島へ(日程編)

 この3月で8年間続けていた仕事を辞めました。
 次の仕事がすぐ始まったのですが、1週間はないけれど、数日間時間が空いたので、旅にでも行こうと思いました。
 最初に思いついたのは、10年以上前に一度計画を立てていたけれど、体調不良で行けなくなってしまった台湾でした。
 けれど、あまりにも直前だったせいか、調べてみたところ結構高い。

 さて、どうしようか、と思って、諦めてのんびり過ごすかとも思ったのですが、海外ではなく、国内で行ったことのないところに行ってみようと思いました。
 で、まず思い浮かんだのが、一度行ってみたい(見てみたい)と思っていた屋久島(縄文杉)です。

 調べてみたところ、台湾よりも安かったのと、鹿児島県自体行ったことが無かったので、屋久島に行くことにしました。

 

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 写真は次回載せたいと思いますが、一番心配だった天候は、1ヶ月の内35日雨が降ると言われているという屋久島で、結果的に雨には殆ど降られることもなく3日間過ごすことが出来ました。
 ちなみに、今回は屋久島旅行などに特化しているオリオンツアーから、屋久島への2泊3日のフリープランを申し込んで、行ってきました。

屋久島ツアー&屋久島旅行が激安!|屋久島と言えばオリオンツアー


 以下日程と、その日にやったことを載せてみたいと思います。

 

1日目
羽田空港→(飛行機)→鹿児島空港(8:00発―9:55着)
鹿児島空港→(バス)→鹿児島本港(1時間弱)
鹿児島本港南埠頭(12:00)→(高速船)→宮之浦港(13:50)

 
 翌日の縄文杉に行く為には荒川登山口までのバスチケットを事前購入する必要があったので、宮之浦港近くにある屋久島環境文化村センター内で、バスチケットを購入しました。
 それと、次の日は早朝から出発するので、朝食と昼食、水分を買いました。
 島にはコンビニはないのですが、スーパーがあります。

屋久島環境文化村センター | 利用案内 | 公益財団法人 屋久島環境文化財団 〜世界自然遺産の自然環境を守り自然と共生する新しい地域づくりをめざして〜

 

2日目
宮之浦港入口→(バス)→屋久杉自然館(4:01―4:48)
屋久杉自然館→(バス)→荒川登山口(約35分)
荒川登山口→縄文杉→荒川登山口(往復徒歩約5時間。休憩時間込み)
荒川登山口→(バス)→屋久杉自然館(15:00―15:35)
屋久杉自然館→(バス)→宮之浦港入口(合庁前乗り換え)


 2日目が今回の旅の唯一と言って良い目的である縄文杉へ向かいました。
 僕が泊ったのは屋久島の中で2つある港の中の宮之浦港近くの宿だったので、そこから行くバスだと4時とかに出発になりました。
(複数で来ている人たちはレンタカーで、屋久杉自然館まで行っている人たちが結構いました。)

 2日目の日程での注意点は、思っていたよりも朝が寒かったことです(装備自体は持っていましたが)。
 屋久島は港に近い所は標高がかなり低いのでかなり暖かいのですが、荒川登山口の時点で標高が600mくらいなので、それだけで3~4℃下がります(100mで0.6℃下がります)。
 なので、早朝だったこともあり、最初歩き始めるまでが結構寒く、また、荒川登山口から縄文杉までも約700m登るので、さらに気温が下がります。
(今回は登りませんでしたが、屋久島最高峰&九州最高峰の宮之浦岳(標高1,936m)は雪が残っていました。)

 そして、僕自身の反省点としては、山登り自体を1年以上していなかったので、ガイド本やネットで調べた情報に載っていた6~8時間という時間を鵜呑みにしてしまったこと、そして、その時間からルートを往復同じルートで設定してしまったことです。
 結果的に、僕は往復休憩時間込で5時間かかりませんでした。
 荒川登山口から出ているバスは本数が限られていて、マイカーも入れないので、バスが来るまで2時間くらいバス停前で待つことになりました。
(その時間に、観光協会の方にたんかんを頂いたり、千葉から来ていた青年とお話したり、トロッコが動いているところを見ることができました。)

 普段の山登りでもガイド本に載っているよりも早く下山していたのと、普段の山登りでは行きと帰りのルートを変えていたので、ガイド本に書いてある通りにせずに、今回も、帰りのルートを違うように設定しておけば良かったです。
 
 ちなみに、違うルートというのは、白谷雲水峡を通って、宮之浦側へ出るルートです。
 白谷雲水峡はジブリ作品の「もののけ姫」の舞台となったとされる場所です。
 荒川登山口から縄文杉に向かうルートでもその雰囲気は感じることが出来ますが、白谷雲水峡からは、僕が泊まっていた宿がある宮之浦港側には近く、バスの時間も早かったので、こちらのルートに設定しておけば良かったなと思いました。

3日目
宮之浦港→(高速船、種子島経由)→鹿児島本港(10:00―12:45)
鹿児島港フェリーターミナル→(フェリー)→桜島港フェリーターミナル(約15分)
サクラジマアイランドビュー(周遊バス、約60分)
桜島港フェリーターミナル→(フェリー)→鹿児島港フェリーターミナル(約15分)
市役所前→(高速バス)→鹿児島空港(約50分)
鹿児島空港→(飛行機)→羽田空港(18:35―20:10)


 3日目は屋久島から鹿児島に戻るフェリーを種子島経由のものにしてみました。
 これは単に、種子島を見てみたいというだけだったのですが、下船はできなかったので、本当にただ「見る」だけでした。
 機会があれば、ロケットの打ち上げの時とかに上陸してみたいと思います。

 飛行機の時間が夕方だったので、それまで何をしようか、ということで、桜島に行ってみました。
 桜島ではレンタルサイクルやレンタルバイクもあるのですが、約1時間に一本、展望台などを巡って、写真撮影の時間も取ってくれる周遊バス(サクラジマアイランドビュー)があったので、それを利用しました。
 これは本当に良かったです。
 料金も500円ですし、主な展望台やスポットを巡ってくれるので、僕のように時間が限られていてサクッと観光したいものにとってはとても便利でした。

 

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 そして帰りですが、鹿児島空港への高速バスが一番出ているのは「天文館前」なので、そこまで行こうと向かっていたら、ちょうど市役所前からのバスの時間だったので、市役所前から空港への高速バスに乗りました。
 天文館前からは1時間に数本出ていますが、市役所前に止まるのは1時間に1本あるかどうかなので、ラッキーでした。
 ちなみに、チケットは、乗り場目の前の店舗で買えます。

 こうして、「とりあえず縄文杉を見たい」ということで屋久島に向かった2泊3日の旅を終えました。
 次回は写真を載せたいと思います。

 
つづき→縄文杉を見に屋久島へ(写真編) - 映画と本と自分と山
つづきのつづき→縄文杉を見に屋久島へ(桜島編) - 映画と本と自分と山

「翔んで埼玉」

 観たいと思っていた作品をやっと見に行くことが出来ました。
 子どもたちの面会以外で映画館に見に行ったのは、「カメラを止めるな!」以来です。
 公開から大分経っていて、公開している劇場がかなり少なかったのですが、ギリギリ観に行くことが出来ました。
 しかも、埼玉で。

 話題になっているので、知っている人も多いかと思いますが、元々は30年以上前に出版された漫画です。(魔夜峰央『翔んで埼玉』
 数年前にネット上で話題になり、復刊し、それだけでなく、映画化もしたという流れです。
 僕は数年前にネット上で話題になっている時に知り、漫画は読んだのですが、さすがにすごいぶっ飛んだ世界観なので、映画化を聞いたときはあまり期待していませんでした。
 けれど、いつも聞いているラジオ番組でも荻上チキさんが話していたり(【音声配信】映画『キャプテン・マーベル』、『翔んで埼玉』を鑑賞!そして、映画館でのトイレ対策(オープニングトーク)▼2019年3月19日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」))、評判も良いので、映画館に観に行くことにしました。

 

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映画『翔んで埼玉』公式サイト

 

作品データ映画.comより)
監督 武内英樹 
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 107分
映倫区分 G

 

ストーリー(公式サイトより)
埼玉県の農道を、1台のワンボックスカーがある家族を乗せて、東京に向かって走っている。
カーラジオからは、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」に続き、DJが語る埼玉にまつわる都市伝説が流れ始める――。
その昔、埼玉県民は東京都民からそれはそれはひどい迫害を受けていた。
通行手形がないと東京に出入りすらできず、手形を持っていない者は見つかると強制送還されるため、埼玉県民は自分たちを解放してくれる救世主の出現を切に願っていた。
東京にある、超名門校・白鵬堂学院では、都知事の息子の壇ノ浦百美(二階堂ふみ)、埼玉県人を底辺とするヒエラルキーの頂点に、生徒会長として君臨していた。
しかし、アメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)の出現により、百美の運命は大きく狂い始める。
麗は実は隠れ埼玉県人で、手形制度撤廃を目指して活動する埼玉解放戦線の主要メンバーだったのだ。
その正体がばれて追われる身となった麗に、百美は地位も未来も投げ捨ててついていく。
2人の逃避行に立ちはだかるのは、埼玉の永遠のライバル・千葉解放戦線の一員であり、壇ノ浦家に使える執事の阿久津翔(伊勢谷友介)だった。
東京を巡る埼玉vs千葉の大抗争が群馬や神奈川、栃木、茨城も巻き込んでいくなか、伝説の埼玉県人・埼玉デューク(京本政樹)に助けられながら、百美と麗は東京に立ち向かう。果たして埼玉の、さらには関東の、いや日本の未来はどうなるのか――!?

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 ただただ面白かったです。
 僕自身は人生の内20年以上を埼玉県で暮らしたので、ゲラゲラ笑いながら観ました。
 公開から大分経っていたこと、そして埼玉の映画館で観たので、他の人たちも笑いながら観ていたので、安心して(?)観ることが出来ました。

 浦和と大宮、そしてそこに挟まれた与野の関係、池袋の埼玉県人の高さ、埼玉県人の東京への憧れなど、埼玉あるあるが満載でした。
 また、単に暮らしただけでなく、子どもの時から埼玉で育った身としては、東京への微妙な憧れや劣等感、千葉や茨城、群馬への微妙な優越感や対抗心なども共感出来ました。

 少し真面目なことを書くと、ある場面で埼玉県人の高校生が発する言葉が印象的でした。

 

(埼玉が馬鹿にされていることに)何でもないようなふりして、ヘラヘラ笑ってきたけれど。悔しいよ。

 
 これ、埼玉と東京との関係でのコメディですが、様々な場面で起きていることだな、と。
 例えば男性中心の組織にいる女性。
 今までと違った印象を与える化粧や髪型、服装をしていけば「あれ?なんかあったの?」とか言われ、実際は特に何もなくて何となくしたことなのに、「へへへ、そうなんですよ~」とか言って笑ってごまかすとか。

 実際に優越的な立場にいる場合はもちろんのこと、劣等感を抱いている側にとっては、優越的な立場(のように感じる)人からの態度や言葉に、自分が劣等感を抱いているからこそ笑ってごまかして、曖昧にしてしまう。
 このことを突き詰めていけば、現代だったら#MeTooでしょうし、かつてなら青い芝の会の動きなどだったのだと思います。
 コメディーで終始笑えるのですが、最後の最後、手を取り合って闘うというのは、そういうメッセージをも含んだものになっているのかな、と。

 ちなみに、エンディングクレジットで流れるはなわさんの「埼玉県のうた」まで、是非観て下さい。

youtu.be

 
 巨大ショッピングモールにある映画館で観たので、思わずニヤニヤしながら(マスクしてたけど)映画館を後にしました。