映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

さようなら、また会う日まで

先週の金曜日の夜中に、義理の妹(Kさん)が死にました。

木曜日に、あと数週間ということを聞かされ(それ以前には、夏までと聞いていました)、金曜日の朝には、痛みがひどいので、緩和ケア病棟(ホスピス)を探すということを聞かされていました。

金曜日の朝に聞いた時には、ついにこの時が来た、という思いと、早く会いに行かなければ、と思っていましたが、ホスピスに移る間も、僕らが会いに行く間もないままに、息を引き取りました。

Kさんと義理の弟(Sさん)が結婚したのは、僕らの結婚を終えて、割とすぐで(結婚式後に、Sさんから結婚話を切り出された)、彼らの結婚式の様子も、よく覚えています。

それに、ツレ家族にとっては、僕とKさんはある意味「よそ者」同士だったので、僕は勝手に親近感を抱いていました。

義理の弟のSさんは実母を幼い頃に亡くし、中学生の頃に実父も亡くしており、彼らが結婚して安心したのか、僕らの結婚式では泣かなかった義母も、彼らの結婚式では泣いていました。

そんな様子を見て、僕もとても嬉しくなりました。

しかし、結婚してから早い時期に、Kさんの病気が見つかりました。

いわゆる婦人特有の病気でしたが、一時諦めていた子どもも授かることが出来、Nちゃんが生まれて来ました。

Nちゃんと我が家のS(3歳)は学年は違えど月齢が近く、他にいとこがいないので、季節の挨拶だけでなく、何度も一緒に遊んでいました。

Nちゃんも今年3歳になりましたが、Kさんの体調があまりよくないと聞いたのは、実際には体調が良くないのかもしれない、と僕は去年の年末あたりから感じていました。

実際に、入退院を繰り返していると聞いていましたが、会う時はいつも笑顔で、我が家の子どもたちの誕生日には一度も欠かさずにプレゼントとお手紙をくれました。

先日のM(満1歳)の誕生日には、入院中にも関わらず、電報でかわいいミニーちゃんのぬいぐるみを送ってくれました。

いつも変わらず笑顔でいたKさん。

いつも子どもたちのことを気にかけていてくれたKさん。

そんなKさんが死んでしまいました。

闘病生活も長く、こういう時が来るだろうことは、僕だけでなく、きっと本人も、パートナーのSさんも予想していたと思います。

でも、どんなにそれを予想していたとしても、やはり死は突然やってきました。

ちゃんと挨拶することも、今までの感謝を伝えることも出来ませんでした。

亡くなった金曜日、Kさんは、保育園から帰ってきたNちゃんに新しく買ってきた絵本を読んであげ、「おやすみ」を言って、Nちゃんが寝るのを見守っていたそうです。

これを書いている今、涙が止まりません。

でも、泣いているSさんを見て、Nちゃんがこう言ったそうです。

「パパ泣かないで。パパが泣いていると、ママの声が聞こえないよ。」

今日と明日、Kさんに最後のお別れをしてきます。