映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「おとうさんといっしょ」って一体…

昨日から、ちょっと話題になっているのが、4月からNHK(BSプレミアムですが)で「おとうさんといっしょ」という番組がスタートするというもの。

「おとうさんといっしょ」も登場 NHK、4月の番組改編(朝日新聞デジタル)

僕の近辺(大体はファザーリング・ジャパンの方々ですが)とか、ネット上でもおおむね好意的に受け取られているようです。

でも、僕は正直「イラネ」と思いました。

あまりにも好意的な声ばかり聞こえてくるので、何が引っかかったのかを書いてみようと思います。

(*番組自体が始まっていない段階での批判は本来は好ましくないでしょうが、それを承知の上で書きます。)

一番根本的に感じるのは、【ネーミングの悪さ】です。

「『おかあさんといっしょ』があるんだから、『おとうさんといっしょ』があってもいいじゃないか」という声は冗談ではなく、今まで聞いたことがありますし、そういう声がNHKにも少なからず届いて今回の番組名になったのでしょう。

「『おとうさんといっしょ』があってもいいはず」ということを言ってきた人たちは、「父親も育児をしている」だとか「父子家庭もある」だとかをその理由にしていました。

でも、もし、その理由を根拠に反映されるべきだ、とするならば、父親も母親もいない家庭(義弟はそうでした)の子ども向けにはどうしたら良いのでしょう?

「ほごしゃといっしょ」というような番組を作ることを要求するのでしょうか。

そうやって細分化していって、各ニーズにそれぞれ応えるような番組が出来るのでしょうか。

ちょっと横道に逸れるようですが、何かに名前を付けるということは、他のものと区切ることになります。

今回、「おかあさんといっしょ」だけで親子番組が済んでいたものを、「おとうさんといっしょ」も出来ることで、女性(おかあさん)は「おかあさんといっしょ」、男性(おとうさん)は「おとうさんといっしょ」とすみ分けが行われることになります。

果たして、それが「男性の育児促進」とかを目指している人たちの本当に目指しているものなのでしょうか。

かなり疑問です。

そして、「おとうさんといっしょ」を歓迎している人たちの多くが、「おかあさんといっしょ」をちゃんと見たことがないのではないか?ということです。

確かに番組名は「おかあさんといっしょ」ですが、普段の放送ではお母さん(女性)は殆ど出て来ません。

出演者の男女比も半々だし、結して内容は「おかあさん」だけで構成されているわけではありません。

土曜日とかの普段とちょっと違う放送で親子で出て来る時も、最近は父子で出演している親子もそれなりにいますし、「おかあさん」に偏っているわけではないでしょう。

もちろん、ネーミングは重要ですが、内容の方がより重要だよね、ということです。

で、「『おかあさんといっしょ』の『おかあさん』が気になってたんだよな」とか言っている人って、結局、番組名で中身を判断しているし、内容に興味がない人は結局、それが「おとうさんといっしょ」になったところであんまり見ないと思います(もちろん最初に興味本位で見て、はまることはあるかも知れませんが)。

で、最後に思うのは、最初の【ネーミングの悪さ】にも通じますが、「おとうさんといっしょ」という名前も内容も(お兄さんお姉さんやキャラクターまで出演する)「おかあさんといっしょ」に似たものを作ってどうするの?ということです。

それは単に番組名(と出演者)が変わった「おかあさんといっしょ」なわけで、それこそ単に今までの「おかあさんといっしょ」が細分化されただけです。

「『おかあさんといっしょ』の『おかあさん』が気になってたんだよな」とか言っている人たちも、何を望んでいるのかと言えば、「おとうさんと子どもの育児番組」なわけで、別にそれは「おかあさんといっしょ」のコピーである必要はなく、名前も内容も全く新しいものを作れば良かったのに、と思います。

今回の新聞記事を見て、1つだけ評価出来るとすれば、日曜放送ということくらいですが、これも8時だと、仮面ライダーの時間(というか、スーパー戦隊仮面ライダープリキュアという時間帯です)と思いっきり被ってるので、わざわざ地上波じゃない、BSを見るかどうかは、甚だ疑問です。