映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『コウノドリ』

春に初めて読んでみてすっかり夢中になってしまった漫画の新刊が出ていたので読んでみました。

 

コウノドリ(6)

 

そういえば、このブログに書いたかな?と調べてみたら書いてなかったので、書いてみます。

内容は、養護施設出身で本名等を伏せてジャズピアニストもしている産婦人科医が主人公の産婦人科で出会う人たちとのお話です。

主人公が「こんな人間いるわけないだろう」的な設定になっていますが、実は産婦人科医でピアニストという方は日本にもいるようです。

 

ピアニストとしての活動はあくまでも主題ではなく、産婦人科医としての日々出会う人たち(妊婦やそのパートナー、家族)に焦点が当てられています。

たとえば、今回の6巻であれば、子宮外妊娠、性感染症口唇口蓋裂などが触れられ、今までだと、「障害」、DV、早産などが触れられていました。

 

               

コウノドリ(1)     コウノドリ(2)     コウノドリ(3)      コウノドリ(4)     コウノドリ(5)

 

僕自身は、産婦人科医でもありませんし、友人に産婦人科医もいませんが、子どもが3人いることや大学時の専門領域が生命倫理だったこともあり、子どもを授かる前から知識もたぶん他の人よりもあり、子どもたちが生まれてからは実際に、それらのケースも間近で見る機会もありました。

 

なので、【五体満足】が【普通】という認識は持っていなかったのですが、同時に、多くの他の人が【五体満足で生まれてくることが普通】と考えていることに戸惑いを感じていました。

いくら学会や学術誌で研究者たちが話し合いを重ねていたところで、多くの人の認識は変わらないというもどかしさも感じていました。

 

そうしたときに、この漫画を知り読んでみたところ、漫画でわかりやすいし、【五体満足で生まれてこないケースもそれなりにある】ということが伝わる、とても良いツールだな、と思いました。

特に今回は、今まで主人公が養護施設出身だったことは特に深く触れられていませんでしたが、3歳まで過ごしていた乳児院の先生(=お母さん)と再会する場面がありました。

 

妊娠、出産、子どもに関わることはとてもいろんなテーマ、出来事に触れていくものなので、この「養護施設で育てられる子どもたち」にも触れられていたのもとても良いな、と思いました。

子どもを授かりたいと思っている人、既にお腹に赤ちゃんがいる人、そして、子どもと接している人には是非読んでもらいたい、育児の方法などには触れられませんが、僕の中では子どもに関する本の中で一番おすすめの本です。