映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

年末年始に読んだ本

このブログに書いているのが漫画や絵本ばかりで、書くとしても雑誌ばかりなので、「活字は読んでるの?」という声が聞こえるので、一応書いておきますが、活字も読んでいます。

まぁ、別にだから活字の方が良くて漫画は活字より下とかいう訳ではないのですが。

 

活字の本は「育児・子育て」に必ずしもリンクしないので、書くのが少しはばかれる感じと言うだけです。

一応、活字も読んでいます、ということで、この年末年始に読んだ本についてそれぞれ少しコメント付けて見たいと思います。

(読んだ順番で載せていきます。順番に他意はありません。)

 

ぼくは眠れない (新潮新書)

 

去年の2月くらいから、突然僕も不眠になってしまいまして、体力も集中力も、そして精神衛生も悪くなってしまったので、4月に心療内科に行き、睡眠導入剤を処方してもらっていました(今は少し改善してきたので服薬はしていません)。

そういう僕自身の健康上の前提があって、椎名誠さんが「35年間、不眠症」というのが帯にドドンと出ていたので、衝動買いして読みました。

不眠症をどのように克服したかとかそういう話ではなく、「不眠症とどのようにつきあってきたか」ということが書かれていて、不眠症は人それぞれ理由も症状も違うので、その「どのようにつきあってきたか」ということがむしろ好感が持てました。

「こうすれば治る!」とか「こうすれば改善する!」とか言われても、人それぞれなので、信用できないでしょうが。

今、不眠症とつきあっている人にはとても良い本かな、と思います。

 

 

最貧困女子 (幻冬舎新書)

「貧困」「子どもの貧困」が僕のライフスタディみたいな感じなので、読みました。

ルポに近いので、現状の厳しさには読むのもつらくなってしまいそうですが(出てくる人たちの中で、少しでも、一歩でも道が違えばニュースで報道されるような事件になるでしょう)、単に現状を提示するだけではなく、その状況に陥った理由を解き明かし、さらに、「専門家ではない」視点での対策が書かれています。

大きな、行政的な対策は「専門家」中心に行われるのが多いですが、その専門家にも是非必ず読んでもらいたいものです。

 

漂流少女 夜の街に居場所を求めて

 

これはちょっと前の本になりますが、『最貧困女子』と同じ流れで読みました。

この本もルポに近いもので、特に、渋谷、新宿歌舞伎町、池袋などで性をナリワイとして生きる少女たち、性を売らないと生きていけない少女たちの現状が描かれています。

 

弱いつながり 検索ワードを探す旅

 

上2冊とはかなり毛色が変わって、思想家・評論家の東浩紀さんの本です。

高校の同級生には「東浩紀って誰?」って言われてしまいましたが、最近は新聞でもよくお目にかかります。

Kindleで読むことが多い電子書籍ですが、hontoというサイトも最近よく利用していて(割引やクーポンをかなりの高頻度で出してくれるので)iPad miniで読んでいます。

この本はhontoで安く電子書籍が買えたので読みました。

東さん自身がまえがきで書いているように、この本は「思想」や「哲学」の本ではなく、多くの人に読んでもらえるように書かれているので、とても読みやすいものでした。

ネットだけで分かった気になってはだめで、観光客でも良いので、自分の身体をその場所に移すことが重要だというものでした。

僕も結構引きこもりがちなので、身体を普段自分がいない場所に移すことはやっぱり重要だよな、と思ったのでした。

 

「夜のオンナ」の経済白書 ──世界同時不況と「夜のビジネス」 角川oneテーマ21

 

この本は、「貧困」関連で読みました。

「夜のオンナ」というのはつまり性に関する産業のことで、日本だけでなく、世界において、性産業がどのような状況にあるのかがわかるようになっています。

あまり声だかに主張するようなことはありませんが、やはりどの国でも「性産業」と「貧困」が結びついていて、具体的には「人身売買」などの社会問題として現れていることが分かるようになっています。