ハートネットTVを観て具合が悪くなった話
一昨日までの3日連続でNHKのハートネットTVで「シリーズ子育て支援」という番組が放送されていました。
(再放送は来週12~14日です。)
セクシュアルマイノリティや発達しょうがい、自死、貧困などを積極的に取り上げていて、いつもとても良い番組を作っているので、よく観る番組(仕事でも使える場合があるので録画も)です。
で、今回のテーマは、「子育て支援」。
僕も一応子育て当事者なので、(仕事には使えませんが)観てみました。
2日目までの放送で「もう観るのやめよう」という気持ちになったのですが、一応最後まで観ないと批判的なことも言えないかなと思い、観てみました。
「ハートネットTVお前もか」
「観るのをやめようかな」と思ったのは、もうこれまで何度も書いてきたことですが、【子育ての主体が女性】という前提で進んでいたことです。
もちろん今の日本の大多数の家庭では、【子育てのメインは女性】、【男性は手伝い】ということなのでしょう。
それを反映している、と言えばそれまでなのですが、ハートネットTVは今までセクシュアルマイノリティなど、いわゆる【マイノリティ】へ配慮した番組作りをしていたので、【男性が子育てメインの家庭もある】という配慮がされると期待していました。
が、番組を観た中ですべて【子育てのメインが女性】であり、男性が子育てをしている家庭もある、ということへの配慮は一切ありませんでした。
自分がマイノリティの中のマイノリティだと突きつけられる苦しさ
「観るのをやめようかな」と思ったのは、苦しくなってきたからです。
苦しくなったのは、今ではすっかり感じることがなくなってしまった、子育て中の苦しさが思い出されたからです。
今では、上の2人が小学生になったので、授業公開などで他の父親に会う機会が多くなりましたが、子どもが小さければ小さいほど、子どもと一緒のイベント(とまではいかなくても近くの公園や児童館など)で会うのはみんな【母親】でした。
特に長男T(8歳)がまだ歩けなかった頃は、今のように父親がベビーカーを押していたり、抱っこしていたり、父親と小さな子どもと平日に歩いているというのがなかったので、奇異な目で見られたりすることがありました。
奇異な目で見られるだけなら、まぁ、ただのすれ違いとかなので、特に気にすることはありませんが、子育てセンターなどに行っても【母親だけ】、しかも【スタッフもみんな女性】というのはなかなかつらいものがありました。
今回のハートネットTV(2日目の放送分)では、行政が行っている子育て支援を知らなかった母親が役所に行っていろんなアドバイスや情報をもらい、実際に子育て支援センター(のような所)に行く様子がありました。
【孤育て】になっていた女性が、同じ世代の子どもを持つ母親や、プロであるスタッフとつながることが出来て、本人もとても嬉しそうでした。
それはそれで観ている僕もとても嬉しい光景だったのですが、同時に僕自身がTを連れて子育て支援センターに行ったときの記憶が蘇ってきました。
女性でも【弧育て】に直面する中、さらにその中でマイノリティの父親はさらに【弧育て】に直面します。
番組の中でも「子育ては今ではマイノリティになっている」というような話がありましたが、男性・父親であるということは、そのマイノリティの中でも更にマイノリティな存在です。
自分がマイノリティである、ということを突きつけられるのはなかなかしんどいものです。
せっかくハートネットTVで子育て支援を特集するのなら、この辺りのことに少しでも配慮してもらえたらなぁ、と思いました。
子育てを始めたばかりのような【女性】には良い番組だったのかも知れませんので、興味がある人は来週再放送があるそうなので、是非。