映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『男の子の 本当に響く 叱り方ほめ方』

久しぶりに本の話題を。

あんまり「育児本」って自分から買って読むことはないのですが(育児本に限らずハウツー系はあんまり読んでいてもためになったことがない)、最近自分自身を省みて「子どもたちにうるさすぎる気がする」、「基本的に僕の話を聞いてくれない(耳には入っているけれど)子どもたち(特に長男T)にどうしたら話が通じるようになるのだろうか」と割と悩んでいたので、ついハウツー系の本が今までためになったためしがないにも関わらず買ってしまいました。

 

まぁ、買った大きな理由としては電子書籍の500円クーポン券をもらっていたので、紙版の定価の半値以下(500円)で買えたからというのが大きいです。

 

男の子の 本当に響く 叱り方ほめ方

 

この本を書いた人が誰かというと、僕も会員になっているファザーリング・ジャパンで今は顧問(以前は副代表)をしている、大阪教育大学の教員の小﨑恭弘さんという方です。

Facebookなどでつながりのある人とやりとりをしているのを目にしたことはあるものの、僕は直接つながっているわけでもないのとお目にかかったこともありません。

(なので、結構批判的なことをこれから書いていきます。)

 

ですが、尾木ママもブログで以前紹介していたので、この本を読んで見ました。

 

で、内容ですが、タイトルの「男の子の本当に響く叱り方ほめ方」が学べるか、というと悩んでしまうものでした。

話のテンポなどはとても面白いのですが、Amazonで厳しい評価を書いている人たちの言葉を借りると、「他で読んだことのあるような内容で、とくに新しいところはな」いですし、「『母親の伝えたいことが伝わる』、『してほしいことをしてくれるようになる』ための叱り方褒め方を教えてくれてはいません」でした。

 

他で読んだことのあるような内容が「必要ない」かというとそうでもなくて、僕はこの本を読んで、今一度自分がしかっていた内容を思い起こし、叱る内容を変え、伝え方も変えてみるきっかけになりました。

 

また、レビューに「『男の子』というものをひとくくりにして、はみんなこういうものだ、といった決めつけ」をしているのは僕も気になりましたが(ついで読者を全員「母親」を前提にしているところも)、それだけ著者の元に来る相談者は「お母さん」であり、その「お母さん」たちは「男の子はわからない」と「男の子」を理由にして子どもが理解出来ないと訴えているのでしょう。

 

そう思うと、「男の子ってのはこういうものですよ」ということを「お母さん」たちに提示するのはとても有効だと思いますし、その点でレビューで(Amazonのレビューは著者の関係者が【好意的に】書いていることも多いことを勘案して見た方が良いと思いますが)良い評価を付ける人が多いのだと思います。

 

が、でも、我が家の男の子たちはヒーローにも、昆虫にも、乗り物にも殆ど興味を示さず、この本で出ている【男の子】像とはかなり離れている印象でした。

なので、【男の子あるある話】としては面白いのですが、自分の子どもに当てはめられるかというと、かなり疑問ではあります。

 

ということで、割と最近(特にTが小学校に入学した辺りから)悩んでいることはまるで解消されませんでしたが、【男の子あるある話】や「男の子って分からなすぎる」と【男の子】を理由に子育てが難しく感じている人には面白い本にはなっているように思いました。

まぁ、個人的には、レビューにあったように、「男の子が産まれた人に是非プレゼントしたいです!」とかは、僕は「ないなぁ」と思いますし、これを長男が生まれたばかりの時にもらっていたら、この本の内容を真剣に受け止めてしまって、逆にジェンダーバイアスが働いてしまって余計子育てに困難を来してしまったのではないかな、と思います。