映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ブルージャスミン」

先日観た「ジゴロ・イン・ニューヨーク」ウディ・アレン作品で、「ブルージャスミン」の方が観たいんだけど、と書きましたが、リクエストしそびれていたので、早速リクエストしました。

 

ブルージャスミン

 

レンタルショップではすでに「準新作」扱いになっているということは、どんな作品なのか、という予備知識も僕からは殆ど消えていましたが、観ているうちに何となく思い出しました。

 

ものすごく簡単に言うと、超セレブだった女性が落ちぶれてしまった話、です。

 

確か、この作品で主演のケイト・ブランシェットアカデミー賞の主演女優賞を受賞しているのですが、確かに上手でした。

気の狂い方とか。

でも、ノミネートなら分かるものの、最優秀かどうかというと、他に良い作品はなかったのかな?という気にもなるような感じです。

 

ネタバレ的なことは極力避けたいので、踏み込みませんが、最終的には救いのない映画だな、と思いました。

物語の後半からはあたかも主人公が(特に周囲の人の)不幸を呼び込んでいるかのように描かれていますが、今までの環境から仕方が無い振る舞いだとも思います。

 

貧困や学力が低いことについて、「自己責任論」で語られる場面でもそうなのですが、「本当にそれは自己責任なの?」という問いを突きつけてくる映画でした。

 

と、真面目な感じで書いてしまいましたが、そういう問題を突きつけつつも、決して真面目な感じではなく、それをユーモラスに軽やかな感じで描いている点が秀逸でした。

 

家族を失い、財産を失い、精神も病んでしまう。

それでも何とか自分自身を保とうとし、彼女自身は奮い立とうとする。

でも、それが結局はうまくいくことはなく、さらなる深みに沈んでいく。

 

と、ここまで書いて、なんかこの物語は何かに似ていたな?と思ったら、ヘブライ語聖書(=旧約聖書、タナク)に出てくる「ヨブ記」でした。

そう考えると、主人公が1人で語り、周囲の人がそれを不審に思ったり、遠ざかり、避けていく様子は、ヨブが神に語りかけたり、友人との対話とリンクするように感じました。

 

監督のウディ・アレンユダヤ人ですし、あながち的外れでもないのかも、と思ったりします。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

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