映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「パリ、ただよう花」

TSUTAYAディスカスから送られてきた映画です。

 

パリ、ただよう花 [DVD]

 

元々は2010年に制作(公開は2011年?)の作品ですが、日本では2013年に公開されました。

日本での公開時に読んだ書評で観てみたいなー、と思っていたらそれから1年半くらいかかってようやくDVDになりました。

 

そのときの書評では、「身分の違いを超えての愛」だとか、公式サイトに載っている「どんなにセックスを重ねても、愛には届かない」というようなことが書かれていた気がします。

 

で、観た感想ですが、初っ端からレイプで始まるのが驚きました。

これは「セックスから始まる恋愛」とか超えて犯罪だろうよ、と…。

性犯罪から始まる恋愛とかはあり得ないでしょうよ。

 

なんだか最初からこのレイプで物語(というか【恋愛】)が始まるので、違和感がぬぐい去れませんでした。

 

それと、これは別に作品自体というよりも、書評などでは「身分の違い」ということを結構前面に出しているものの、身分の違いということよりも、文化(出身国)の違いということの方が際立っていたように思います。

 

フランス人のマチューは建設工ではあるものの、配役からして明らかにアラブ系移民です。

中国人のホアは少しずつ明らかになっていきますが、留学人というだけではなく、元恋人が大学教員で、その関係から自分も教員になれそうな状況にいます。

 

これを単に「身分の違い」と言って良いのだろうか?と思うのは、ホアがフランスに行っても中国に行っても寝泊まりするのが「男の家」だからです。

「自分の家」はフランスで「男の家」から出て行った後に見つけるものの、パリでも中国でも行く先は「男の家」。

そして、当然ながら(?)その「男の家」で男と寝ます。

もし、書評の一部にあるような「キャリアウーマン」だったり、身分が高かったら、最初に行く先が「男の家」になるだろうか?と疑問に思います。

 

別にどんな男と寝ようが、色んな男と寝ようが良いのですが。

 

で、結局観ていて思ったのは、「この話が若者の話だったら別に良いのだけれど」ということでした。

大学生同士の話だったら、(明らかにレイプですが)男が無理矢理襲うとか、「俺の女が従順か試すため」に他の男と2人きりにさせる(結局そこでもレイプされてしまうのですが…)とか、10代とか、学生だったらまだありえるのだけれど、28歳と25歳の恋愛にしては幼すぎる、と思いました。

 

この「恋愛の内容が幼すぎる」という感想ですが、この文を書くために公式サイトを見て理由が分かりました。

それは、「原作は、リウ・ジエが自身の体験をもとに、インターネット上で発表した小説」ということです。

 

日本でもインターネット上で発表され、一部で熱狂的に受け入れられた恋愛小説はこういう「内容が幼い恋愛」でした。

インターネットでの発表された小説というものが中国でも日本と同じようなものであるならば、この幼さは納得が行くな、と。

 

もし、28歳の留学生と25歳の建設工という恋愛で、セックスを中心に据えるとしても、他の男と寝るかどうかを試すようなことはしないだろうし、中国で求婚されたけれどホアがわざわざ連絡を絶ったマチューを探し会いに来て身体を重ねた時に「本当にアバズレだな」というセリフは出てこないように思います。

 

と、色々批判的なことを書きましたが、年齢などの設定に違和感を(かなり)持ったものの、これがもう少し若い人たちの物語だったらどうだろうか、と考えると、評価に悩むものでした。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★☆☆

 

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