映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『透明なゆりかご』2巻

3ヶ月くらい前に、ここに書いた『透明なゆりかご』(『透明なゆりかご』)の続編が出た、ということで読んでみました。

が、前回の1巻目の時もそうだったのですが、今回の2巻も、気づいたときにはもう既にAmazonなどのネット書店では売り切れていて、本屋さんをハシゴすることになりました。

結果的に、前回の1巻を買った本屋さんと同じ本屋さんにあったので、そちらで購入しました。

(ちなみに、この記事を書いている時点で、Amazonでは書籍版が2000円近くで売られています…。Kindleなら432円なのですが…。前回も同じようなことが起きていたので、出版社は1刷目をもっと増やした方が良いと思います。)

透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~(2)

さて、本の内容とは関係のないことを書いてしまいましたが、この漫画、僕の中では今『コウノドリ』よりも評価の高い作品になっています。

というのも、『コウノドリ』は医師から見た物語、しかも、NICU(新生児集中治療管理室)があるような大きな病院での話ですが、この『透明なゆりかご』は准看護師見習い、しかも、街にある産婦人科医院での実話をもとにした(1997年当時の)話という違いにあります。

大きな病院で、医師の周りで起きる物語でも、もちろん緊迫した話や【大きな】話が出て来て、産婦人科のリアルを感じることが出来ますが、街の産婦人科医院、しかも、准看護師見習いという、その医院の中では労働者として末端を担うからこそ見えてくるリアル、というものがあるような気がします。

それが、前巻でも書いた、中絶したあとの胎児の【処理】だったりします。

今回も、中学生での妊娠、出産だったり、母親の男(「おじさん」)に性虐待を受け続けて来て、自己肯定感の著しく低い女性、しかも、その女性が知り合いであり、妊婦としてではなく、一緒に働く同僚として登場します。

性虐待を受け続けて来たので、「ハッピー」などとは言えるわけがありませんが、「その後」としては、自己肯定感を高めることが出来たようで、ホッとした気持ちにはなるものの、そもそもこんな情況が許されるわけない(けれど、それが現実)というなんとも言えない気持ちになりました。