映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「シンプル・シモン」

今回もTSUTAYAディスカスで借りた映画です。

この映画は公開されたときから「早く観たいなー」と思っていた作品です。

 

シンプル・シモン [DVD]

 

なぜ、この作品を「観たいなー」と思っていたのか、そして、「観たいなー」と思ってから、レンタルで届くまでどういう作品なのか忘れていなかったのかというと、主人公がアスペルガー症候群だからです。

 

最近、少しずつ発達障害だとか、ADHDだとか、アスペルガー症候群だとかが教育関係の話で出てくるようになってきたので、知っている人もいると思います。

でも、教育にあんまり関わりのない人にはまだまだよく知らないことかも知れません。

 

専門的なことはここ↓とかに書かれているので読んでもらうとして。

「アスペルガー症候群を知っていますか?」(東京都自閉症協会)

 

この映画のストーリーとしては、アスペルガー症候群の主人公シモンが、親からも見放され、兄サムの元に身を寄せ、そこでも兄の恋人から嫌がられるとともに、恋人を失った兄サムのために恋人を探し、そこで出会った女性イェニファーと仲良くなっていく、というものです。

 

僕が書いたストーリーだとおもしろさが全く伝わらない感じがしますが、両親から見放されたり、兄サムの恋人が去った原因が自分であるけれども、決してそれらのことに悲観することなく、日々自分のルールに従って生活を送っていくシモンの様子や、新しい恋人を見つけようとする姿がとても好感を持てました。

 

まぁ、イェニファーがシモンと関わっていく様子も、シモンを「アスペルガー症候群を持っているシモン」という風に受け入れるのではなく、「シモンはなんだかアスペルガー症候群ってのらしいよ」という感じで、「ちょっと変わった面白い人」というように受け入れているのが良かったです。

 

アスペルガー症候群を「支援の対象」だったり、「周囲の人に理解してもらう対象」と扱うのではなく、シモンという主人公がアスペルガー症候群だった、という描き方が印象的でした。

 

もちろん、配慮が必要なのかも知れませんが、あまり肩肘を張ることなく、アプローチの仕方や表現の仕方が「多くの人(マジョリティー)」とは違う、という感じでした。

「多くの人(マジョリティー)」にいる人たちだって、もし、この世の中が真っ暗になってしまったら、何も見ることが出来なくなってしまって、道を歩くことさえ危険になるかもしれない。

でも、その真っ暗な世界では、今までマイノリティとされてきた盲の人たちにはそれまでと全く同じ世界だったりする。

そこでは盲の人たちは今までと変わることなく、歩いて行くことが出来る。

 

障がい者支援とか大上段に構えることなく、生活を描いているところ、その生活には仕事も恋愛も家族も出てきていて、その生活を描いているので、色んな人に見やすい映画になっていると思いました。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2016年に観た映画ランキング

 

1 「セッション」 2 「アクト・オブ・キリング(劇場公開版)」 3 「シンプル・シモン」 4 「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」 5 「さよなら歌舞伎町」 6 「ブルックリンの恋人たち」 7 「龍三と七人の子分たち」 8 「脳内ポイズンベリー」 9 「娚の一生」 10 「荒川アンダーザブリッジ」