映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「311」

この映画もレンタルでは「旧作」に入りますが、観たかった作品です。

 

311 [DVD]

 

タイトルから分かるように、3月11日に起きた東日本大震災を主題にしたドキュメンタリーです。

 

震災というか、震災による原発事故から数日後に福島県に行き、原発事故の影響が色濃い場所へ訪問したり、遺体を捜索する人たちと話したりしています。

特に最後では、直接ではないのですが、遺体を写しているということで、遺体を捜索している地元の人たちから激しい言葉を投げつけられ、それに応答する場面も出て来ます。

 

この作品は賛否両論あるようですが、僕はこの作品は残されるべき映画だと思いました。

それは、震災(と原発事故)からまだ少ししか経っていなかった時の、取材している側を含めた人々の戸惑いがそのまま映し出されているからです。

もしかしたら、同じような映像が各地の放送局には残っているのかも知れませんが、震災から約5年という歳月を経っても、このような映像があまり公開されていないことを考えると、この作品に映っている人々とのやりとりや戸惑いを含めた映像が今こうして公開されていることに大きな意味があると思います。

 

好きなように取材をし、本来なくても良かったものをゴミとして捨てていく様子(汚染された合羽など)は、ドキュメンタリーとは何か、映画とはなにか、取材するとはなにか、ということを考えさせる契機になりますし、良い気持ちには決してならないでしょう。

 

それでも、この映画を僕が評価するのは、実績を残してきたはずのドキュメンタリーの作り手であっても、「このような映像【しか】撮れなかった」ということが分かるからです。

彼らを持ってしても、「このような映像【しか】撮れなかった」という事実は、この震災と原発事故がいかに大変な事態だったのかということを、全く違った視点から見ることが出来るようになる大きな資料になるのだと思います。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2016年に観た映画ランキング

1 「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」 2 「セッション」 3 「ミッション:インポッシブル/ ローグネイション」 4 「311」 5 「アクト・オブ・キリング(劇場公開版)」 6 「シンプル・シモン」 7 「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」 8 「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」 9 「サンバ」 10 「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」

 

11 「デビルズ・ノット」 12 「僕の妻のすべて」 13 「海街diary」 14 「不機嫌なママにメルシィ!」 15 「さよなら歌舞伎町」 16 「あぜ道のダンディ」 17 「ブルックリンの恋人たち」 18 「龍三と七人の子分たち」 19 「脳内ポイズンベリー」 20 「娚の一生」

 

21 「荒川アンダーザブリッジ」