映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」

ツレがツタヤの実店舗で借りてきたDVDを観る日々が続いております。

ということで、今回観たのはこれです↓

 

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント (字幕版)

 

僕が出かけていた間に先に観ていた子どもたちが「面白かったよ-」と言っていたので、どんな作品なのか少し楽しみに観てみました。

何かの映画を劇場で観たときに予告が流れていたし、スティーブン・スピルバーグが監督で、スピルバーグ作品は割と僕は観ているので、期待したのですが…。

僕にはあまり面白く感じられませんでした。

 

内容は、孤児院で暮らすソフィーに見つかってしまった巨人のBFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)がソフィーを連れ去ってしまうところから始まります。

最初警戒しているソフィーもBFGが自分を食べることはないと分かり、打ち解けていき、BFGの仕事やBFGが置かれている状況(巨人の中では小さく、他の巨人たちは粗暴)を理解していく。

 

ソフィーもBFGも孤独という点で共通しているので、お互い理解し合って行くということなのですが、そもそもBFGがソフィーを連れ去ってしまった時点で僕には受け入れがたく感じました。

ソフィーは打ち解けたように見えるかも知れませんが、それは孤児院にも、また、BFGが暮らす場でも「行き場」がないソフィーにとっては生きぬいていくための方法としか感じられません。

 

どんなに暴力を振るって、どんなに汚い言葉を使い虐待する親のもとにいても、親に順順であろうとする子どもの姿がソフィーの姿に重なって映ってしまいました。

 

また、最終的に他の巨人を人間たちが捕まえるのですが、「人間を食べてしまう」という理由なのですが、それが本当なのかもよく分かりません。

人間を食べてしまうシーン(ファミリー向けなので当たり前ですが)もなければ、人間が巨人に捕まるシーンもありません。

なので、これも、結局「人間に都合の悪い生き物を追い出した」と僕には映ってしまう。

 

そもそも、「人間こそが都合の悪い生き物なのでは?」という疑問が浮かんでくるのですが、この映画に出てくる人たちには微塵もそんな考え方が出て来ません。

自分は正義であり、正しいことをしている。

「孤児」、「子ども」という社会的な「弱者」を中心に添えることによって、その「正しさ」が正当であるかのように進めていく、というのは子ども向け映画であっても(子ども向け映画だからこそ?)、気をつけなければならないと思いました。

 

まぁ、救いとしては、この映画がほとんどヒットしなかったということかな、と。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★☆☆

 

2017年に観た映画ランキング

 

1 「さとにきたらええやん」 / 2 「この世界の片隅に」 / 3 「シチズンフォー スノーデンの暴露」 / 4 「her/世界でひとつの彼女」 / 5 「 愛しき人生のつくりかた」 / 6 「花様年華」 / 7 「EDEN/エデン」 / 8 「17歳」 / 9 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 10 「あと1センチの恋」

 

11 「ロング・トレイル!」 / 12 「惑星のかけら」 / 13 「麦子さんと」 / 14 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント