『学校って何だろう―教育の社会学入門』
先日、知人(大学院生)が自身の歩みを振り返りつつ、原点となった本としてこの本を紹介していました↓
苅谷剛彦さんの本は読んだことがあったような気はするものの、この本は読んだことがありませんでした。
また、この本を紹介していた知人自体が学校がなじめなかったことなどを書いていて、その体験の方に強く惹きつけられたのですが、興味が沸き、読んでみました。
あとがきを読んで知ったのですが、苅谷剛彦さんがまだ東大の教員だったときに、「毎日中学生新聞」(今は休刊)で連載していたものをまとめたとのことです。
連載自体が今から20年くらい前で、僕が読んだ文庫版自体も10年以上経っているので、統計などの情報は古いのですが、「学校」というところがどのような目的をもっているのか、どのような場所なのか、ということは、そこで教えられている内容や形式に変化はあれど、特に変わっていないので、古びること無く読むことが出来ました。
ここに書かれている内容を自分が中学生の時に読みたかったな、というのが正直な感想です。
それによって学校に対しての思いとか過ごし方が変わったかどうかは分かりませんが、それでも、学校での教師の振るまいを少しは理解出来たのかもしれないし、自分だけが過ごしにくいと感じていた学校での人間関係も相対化して見ることが出来たかも知れません。
それに、学校って、やっぱり僕はこの年齢になってもすごく苦手なのですが(建物としても、組織としても、その中で行われていることも)、苦手でも、何故学校があるのか、今の仕組みになっているのか、ということを理解することによって、少しはその苦手意識も軽減したような気がします。
読むのが遅すぎたのか、やっぱり、この本で書かれているような「学校」は今も苦手ですが。
その代わり(?)、この形にとらわれない学校の形もやはり可能なのかも、という気持ちも持ちました。
だからといって、この形にとらわれない学校を自分でやれるか、というとそれはまた大きな違いが出て来ますが。