映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「永い言い訳」

TSUTAYAディスカスでリクエストして観た映画です。

西川美和監督作品ということで、「ゆれる」、「ディア・ドクター」、「夢売るふたり」と西川監督の作品を観たことがあったので、今回も興味が沸いて観てみました。

 

永い言い訳

 

映画『永い言い訳』公式サイト

 

作品データ映画.comより)

製作年 2016年

製作国 日本

上映時間 124分

映倫区分 PG12

 

ストーリー(公式サイトより)

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)は、妻が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族―トラック運転手の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。保育園に通う灯(あかり)と、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝き出すのだが・・・

 

感想

この映画は、物語自体よりも、演じている人たちのうまさがとても印象的でした。

主人公津村啓=幸夫くんを演じる本木雅之さんはもちろん、所見でしたが、津村の妻と共に亡くなった妻の親友の夫・大宮陽一を演じる竹原ピストルさんもとても良かったです。

微妙な緊張感を孕む場面でのその「微妙さ」がとてもうまく表現されていました。

 

物語自体は僕には特に響くことはなかったのですが、所々の言葉にははっとさせられるものがありました。

たとえば、妻を亡くし子どもたちの面倒をみることが出来ない陽一の家に幸夫が行くことになるのですが、そのことについて編集者だかマネージャーだかが、「子育ては免罪符」というような発言をします。

子育てをしていれば自分がどうしようもない人間だろうと、許され、そして、向き合わないといけない現実からもしばし逃避することが出来る。

 

僕自身は子育てを免罪符にしたことはなく、むしろ免罪符にされてしまいがちなので、それから逃れようとしているにもかかわらず結局逃れられないというところで右往左往しているのですが、とても刺さる言葉でした。

 

物語が響いてこなかったのは、微妙な間合いが描かれていて、それを一瞬で変化させる場面をところどころ作っているにも関わらず、全く触れない場面もあったからです。

微妙な間合いではなくても、何かしらのやりとりがないと変化しないだろうと思われる場面でも、それが抜きに、いきなり次の場面に移っている。

そうすると、その間に何があったのかが分からず、あの場面では微妙なやりとりがあったのに、こっちでは全く抜きに次に移っていて、と戸惑いを感じるのでした。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

2017年に観た映画ランキング

 

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11 「帰ってきたヒトラー」 / 12 「SING/シング」(日本語吹替版) / 13 「ある戦争」 / 14 「ワイルド・スピード MEGA MAX」 / 15 「ナイトクローラー」 / 16 「奇跡の教室」 / 17 「ベティ・ブルー」 / 18 「ミッドナイト・イン・パリ」 / 19 「神様の思し召し」 / 20 「her/世界でひとつの彼女」

 

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31 「 愛しき人生のつくりかた」 / 32 「ディーパンの闘い」 / 33 「ロルナの祈り」 / 34 「プリデスティネーション」 / 35 「セトウツミ」 / 36 「永い言い訳」 / 37 「追憶の森」 / 38 「花様年華」 / 39 「EDEN/エデン」 / 40 「17歳」

 

41 「ある子供」 / 42 「愛とセックス」(Sleeping With Other People) / 43 「後妻業の女」 / 44 「Mommy マミー」 / 45 「ロゼッタ」 / 46 「ニュースの真相」 / 47 「ビューティフル」 / 48 「あと1センチの恋」 / 49 「海難1890」 / 50 「ホテルコパン」

 

51 「聖の青春」 / 52 「ロング・トレイル!」 / 53 「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」 / 54 「白い帽子の女」 / 55 「ワールド・ウォーZ」 / 56 「惑星のかけら」 / 57 「麦子さんと」 / 58 「超高速!参勤交代 リターンズ」 / 59 「捨てがたき人々」 / 60 「カケラ」

 

61 「スプリング・ブレイカーズ」 / 62 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」