映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『一瞬の光』

平野啓一郎さんの小説を読んで以来、小説を読む日々が続いています。

今回読んだのはこの作品↓

一瞬の光 (角川文庫) Kindle版

この作品を読むまで著者の白石一文さんのことを知らなかったのですが、読後に調べたら、この作品がデビュー作とのことでした。

(高校時代に読んだ現代の作家以外はホントに小説自体を読まなくなってしまったので、現代の小説家について無知なのです…。

逆に言えば、高校以外では、現代の小説を読んだことがないとも言えます。)

オススメ作品として表示され、レビューの評価も高かったので読んでみました。

デビュー作品とは思えないほどの長編小説なのですが、あまり長いとは感じさせない作品でした。

でも、僕にとっては、村上春樹が描く小説の世界よりも、遠い世界の様に感じる話でした。

財閥系商社でエリート街道を進む主人公が、ある日出会った短大生に関わるようになり、同時期に交際を始めた恋人との関わりや、会社(というか従ってきた社長)の不正をきっかけに仕事も辞める、という話です。

身近にいわゆる「エリート」だとか、商社で活躍する人がおらず、あるいは恋人を形容する「誰もが振り返る美人」というのがどんな人なのか想像出来ないからか、書いてある言葉、文字、内容は理解出来るのですが、自分がいる世界と同じ世界のはずなのに、全く違う世界のことのようで、すごく遠く感じました。

この小説を読んで以来、「誰もが振り返る美人」というのがどんな人なのか、すごく気になってしまい、街行く人をチラチラと眺めるのですが、未だによく分かりません。

まぁ、僕は繁華街に行ったりしないし、この小説の舞台である青山とかに行かないからかも知れませんが。

青山とかに行けばそういう人を見つけられるのでしょうか。

と、まぁ、それは良いとしても、なんだか、恋人への主人公の接し方とか、2人の交わりの描き方とか、恋人の発言とかが、ものすごく「男性目線」のような気がして気になりました。

そういえば、女性作家の小説って殆ど読んだ事がない、ということに気づいたので(アメリカの作家だと少しはいるのですが)、今度は日本の女性作家がどのように男女の関係を描いているのかを知る為に、女性作家の小説を読んでみようかと思います。