映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「サウルの息子」

サウルの息子(字幕版)

 

映画『サウルの息子』公式サイト

 

作品データ映画.comより)

原題 Saul fia

製作年 2015年

製作国 ハンガリー

配給 ファインフィルムズ

上映時間 107分

映倫区分 G

 

ストーリー(公式サイトより)

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の死体処理に従事する特殊部隊のことである。彼らはそこで生き延びるためには、人間としての感情を押し殺すしか術が無い。

ある日、サウルは、ガス室で生き残った息子とおぼしき少年を発見する。少年はサウルの目の前ですぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬してやろうと、収容所内を奔走する。そんな中、ゾンダーコマンド達の間には収容所脱走計画が秘密裏に進んでいた・・・。

ユダヤ教では火葬は死者が復活できないとして禁じられている。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

感想

TSUTAYAディスカスでリクエストして、観た作品です。

 

僕は基本的にストーリーに関して殆ど予備知識を入れずに観始めるのですが、この作品は状況を把握するのに少し時間がかかりました。

 

物語の冒頭、主人公のサウルたちがやっている仕事(作業?)は、遺体の運び出し。

その様子が淡々と描かれる中、息子も殺されてしまう。

そこでものすごく悲しむわけでもなく、本当に淡々とその事実を受け入れる(ように見える)様子が絵が描かれます。

 

けれど、サウルはラビを探していくのですが、ラビを探し出すことに執着する様子は、自分の息子だからこそだということが伝わってきます。

 

サウルが激しく取り乱したりする様子がなく、淡々としているように見えるので、それに戸惑うかも知れませんが、それもそもそもサウルが置かれている情況そのものの異常さを考えると、どうにか平静を保とう、人間としての尊厳を保とうとしているようにも僕には見えてきました。