映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ボーダーライン」

今回も、Amazonプライムで見た映画です。

 

ボーダーライン(字幕版)

 

映画『ボーダーライン』|公式サイト

 

作品データ映画.comよし)
原題 Sicario
製作年 2015年
製作国 アメリ
配給 KADOKAWA
上映時間 121分
映倫区分 R15+

 

物語(公式サイトより要約) 

 FBIの誘拐即応班を指揮する捜査官ケイトは、アリゾナ州の一軒家に誘拐事件の人質を救出するために強行突入した。その家は、メキシコの麻薬組織ソノラ・カルテルの最高幹部マヌエル・ディアスの所有物で、壁の中に数十体もの腐乱死体が隠されていた。しかも離れの物置を捜索中に凄まじい爆発が起こって警官ふたりが死亡し、ケイトも頭部にケガを負ってしまう。

 その日のうちにFBIの会議室に呼び出されたケイトは、ソノラ・カルテルの壊滅とディアスの追跡を専任とする特殊チームが編成され、現場経験が豊富なケイトがその一員にスカウトされた。その場でチームの作戦リーダーを務める特別須佐間マット・グレイヴァーと対面したケイトは、突然の出向要請に困惑しながらも、巨悪を討つ使命感に駆られて「志願します」と返答した。

 後日、空軍基地に赴いたケイトは、グレイヴァーに迎えられて小型ジェット機に乗り込む。機内にはアレハンドロという見知らぬ寡黙な男が同乗していた。行先はメキシコのフアレス。この日、どのような作戦を行うのか事前に何も知らされていないケイトは説明を求めるが、なぜかグレイヴァーは具体的なことを明かさない。アレハンドロは麻薬カルテルの内実に精通したコロンビア人の元検察官で、コンサルタントとして作戦に携わっているのだという。

 内容や目的を知らされないまま、ケイトは麻薬カルテルへの作戦に巻き込まれていく…。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

感想

主演のケイトをエミリー・ブラントが演じているのですが、主演と言いながら、基本的にはやられ役で、裏の主人公はアレハンドロを演じるベニチオ・デル・トロになっています。

 

ケイトには最後まで作戦の内容や目的は知らされず、「国内での単独活動が許されていない」という理由でFBI捜査官がその場にいる、ということが必要で、ケイト自身の能力が経験が必要なわけではない。

場面には明確な発言はなかったものの、女性だということも、逆に利用価値がある、反抗されても押さえつけられるという算段があったのだろうと推測できます。

なので、終始ケイトは作戦についていくだけの存在になり、抵抗を企ててもあっけなく押さえつけられてしまいます。

 

では、作戦自体は誰が遂行していくのかというと、責任者はジョシュ・ブローリン演じるグレイヴァー、実行はアレハンドロです。

アレハンドロの過去が徐々に明らかにされていくことで、作戦がアメリカという国という大きなものの威厳や秩序のためではなく、個人の問題ということになりますが、それでもやることは一緒ということで、むしろ、国の後ろ盾があったほうがアレハンドロも動きやすいのでしょう。

 

合間合間に出てくる食事の風景や、息子が寝ている父を起こし、サッカーに誘うシーンが、この麻薬戦争が一部の人たちの出来事ではなく、市井の人々の生活と隣り合わせの日常に入り込んでいることをうまく演出しているように感じました。

それは、アレハンドロが最終的に追い込んでいく相手も家族と一緒に食事をとっている場面だったことからも、日常生活の一部である、ということがより鮮明に浮き彫りになっていたように感じました。