映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

『サトコとナダ』

先日紹介した亜人ちゃんは語りたい』 と同じく、いつも聴いているラジオ番組のセッション22で番組パーソナリティで評論家の荻上チキさんが紹介していた漫画です。

 

荻上さんが番組で紹介するちょっと前に読んで、とても良い作品だな、と思っていたら、番組でも紹介されたので、僕も感想を書いてみたいと思います。

 

サトコとナダ(1) (星海社コミックス) Kindle版

 

ツイ4という漫画サイトで掲載されている作品とのことで、サイト上でも作品が結構読めるようになっています。

 

sai-zen-sen.jp

 

物語の内容は、日本からアメリカに留学でやってきたサトコが、サウジアラビア出身のナダとルームシェアすることで始まります。

2人ともが異国の地にあって、2人ともがそれまで知らなかった文化や宗教を知っていく。

 

サトコとナダの2人ともがアメリカ出身ではなく、留学生であり、外国人、異質な存在、であるということから、サトコとナダの両者ともに、お互いを理解しようとする姿勢が伝わってきます。

 

これが、同じムスリマでも、両親はサウジアラビア出身でも自身はアメリカ出身だったり、日本からの留学生でも、ルーツや以前にアメリカに暮らしていたことがあったら、お互いに全く違った態度を取ったと思います。

 

日本にとっては、あまり身近な存在とは言えないイスラムという宗教だけでなく、その宗教の中でも、培われた文化は違っていること(長い歴史があるので。これはキリスト教も仏教も他の宗教も同じ。)などが、漫画、しかも四コマなので、とてもわかりやすくなっています。

 

イスラムを理解しなきゃ!」とか宗教などの大きな枠で捉えようとするのではなく、あくまでもサトコはナダを、ナダはサトコを、1人の人間として知ろうとしているというところがとても良いし、改めて重要だな、と感じます。

 

ちなみに、今3巻まで出ていますが、次の4巻で終わってしまうそうです。

もっと続いて欲しいような気もしますが、4巻なら小学生や中学生、高校生などにも気軽に勧められて良いな、と思います。