映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「バンド・オブ・ブラザーズ」

今まで映像作品は、映画だけを取り上げて感想を書いてきましたが、今回はテレビドラマです。

家にテレビはないので、今放送中のものではなく、今回もAmazonで見ました。

なぜ、観ようと思ったのかというと、高校時代の友人が2年前に会ったときに、珍しく勧めてきたからで、今まではAmazonのプライム対象ではなかったのですが、先日気づいたらプライム対象になっていたので、早速観てみたのでした。

 

バンド・オブ・ブラザース (字幕版)

 

【ワーナー公式】海外ドラマ|バンド・オブ・ブラザース

 

作品情報Yahoo!映画より)
タイトル バンド・オブ・ブラザース
原題 BAND OF BROTHERS
製作年度 2001年
製作国 アメリカ,イギリス

 

あらすじなどallcinemaより)

スピルバーグ監督とトム・ハンクスが「プライベート・ライアン」に続いて製作し、第2次世界大戦を題材にした全10話のミニ・シリーズ。製作費1億2千万ドル、撮影期間に9ヶ月を費やし、ヨーロッパを転戦する米陸軍101空挺師団・第506パラシュート歩兵連隊E中隊を描く。原作はスティーヴン・アンブローズのノンフィクション。ドラマに登場するキャラクターはすべて実在する人物で、生存している本人が各エピソードの冒頭に登場する。キャストにおいては、「フレンズ」のデヴィッド・シュワイマー以外は当時無名の俳優を揃え、徹底したリアリズムで熾烈な戦場を描いた。ゴールデン・グローブ作品賞、エミー賞作品賞など8部門受賞。1942年夏、ジョージア州トコア基地で激しい訓練に励むE中隊の兵士たち。だが、指揮官ソベルのやり方は反感を招き、隊員は副官のウィンターズに信頼を寄せる。2年後、E中隊はノルマンディの上空にパラシュートで降下、侵攻を開始するが、それは厳しく長い戦いの始まりだった…。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★★

 

感想

友人が勧めたのがよくわかる、とても良い作品でした。

日本で育った自分にはそこまで馴染みがあるとは言えない、ノルマンディー上陸作戦から、マーケット・ガーデン作戦バルジの戦い西部戦線の最前線でどのような戦闘が行われていたのかが、アメリカ陸軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊第2大隊E中隊を通して描かれています。

 

1パート(1回)が1時間程で、10パートに分かれています。

映画を観るように観ると長く感じますが、10パートに分かれていることも含め、とてもよく出来ている作品だと思います。

 

物語は主に、E中隊の隊長を任され、ドラマの最後では少佐にまで昇格することになるリチャード・ウィンターズを通して、前線に投入される前の訓練、そして投入後の転戦の様子が描かれていきますが、それぞれのパートによって、語る人物や焦点が当たる人物が変わっていきます。

 

上のあらすじなどで触れられているように、製作費1億2千万ドル、撮影期間に9ヶ月かけているだけあって、本当にすごくリアルに感じるようになっていて、そのリアルさは単にお金や時間をかけただけでなく、毎回冒頭で実際のE中隊にいた元兵士たちの証言が語られ、それをなぞるようにドラマが展開されることでも伝わってきます。

 

歴史の勉強にもなりますし、とてもよく出来ているので、どの人にもお勧めしたい作品なのですが、少し気をつけて欲しいのは、負傷したり、殺される場面もリアルな点です。

負傷するシーンもリアルなので、小さな子どもや、凄惨な状況を見るのが苦手は人は注意した方が良いと思います。

 

また、これは、この作品だけの問題ではないのですが、この作品がよく出来ていると感じれば感じるほど、歴史というのが、「勝った側」「生き残った側」でしか伝えることが出来ない、という現実です。

「敵」として殺すドイツ兵は簡単に殺していくものの、負傷したり、死んでしまった「仲間」にはとてもショックを受けたりします。

それが現実なのでしょうが、同じ思いを「敵」である相手も抱えているはずで、E中隊の元兵士の証言などから、どのようなことをしたのか、何が起きたのかをリアルに描けば描くほど、もう片方のドイツ側がどのような状況にあったのかが語られていないということが突きつけられていきます。

 

この、リアルな史実を伝えるという際にも必ず考えなければならない、「勝った人」「生き残った人」が伝えているという点を考えなければならない問題だということを、改めて鮮明に浮き彫りにしているように感じました。