映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ラッカは静かに虐殺されている」

観たいと思っていた映画がAmazonプライムの対象になっていました。

Amazonではドキュメンタリー映画 はプライムだけでなく、そもそも配信リストになっていないことが多い印象だったので、Amazonで観られるようになっていたこと自体に驚きました。

 

ラッカは静かに虐殺されている

 

映画『ラッカは静かに虐殺されている』公式サイト

 

作品データ映画.comより)
原題 City of Ghosts
製作年 2017年
製作国 アメリ
配給 アップリンク
上映時間 92分

 

この映画について(公式サイトより)

戦後史上最悪の人道危機と言われるシリア内戦。2014年6月、その内戦において過激思想と武力で勢力を拡大する「イスラム国」(IS)がシリア北部の街ラッカを制圧した。かつて「ユーフラテス川の花嫁」と呼ばれるほど美しかった街はISの首都とされ一変する。爆撃で廃墟と化した街では残忍な公開処刑が繰り返され、市民は常に死の恐怖と隣り合わせの生活を強いられていた。

海外メディアも報じることができない惨状を国際社会に伝えるため、市民ジャーナリスト集団“RBSS”(Raqqa is Being Slaughtered Silently/ラッカは静かに虐殺されている)が秘密裡に結成された。彼らはスマホを武器に「街の真実」を次々とSNSに投稿、そのショッキングな映像に世界が騒然となるも、RBSSの発信力に脅威を感じたISは直ぐにメンバーの暗殺計画に乗り出す――。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★★

 

感想

日本ではもはや報道自体がなくなってしまった印象がある、いわゆる「IS」やシリアでの状況。

「IS」が首都と位置づけていたシリアのラッカで何が起きているのかを、国内外に発信し続けているラッカ市民出身のジャーナリスト集団RBSSを追った映画です。


主に2015年、2016年の状況を伝える映画で、現在2018年ではラッカも「IS」の手から落ちたので(CNN.co.jp : ISISの「首都」ラッカが事実上陥落 奪還作戦完了)、今や日本だけでなく、国際的にも伝えられることが少なくなってきていますが、この映画に出てくるRBSSのような市民が、国内外にその状況を発信しているという現実を伝えるということはとても貴重だと思います。


映画自体は、欧米出身者が作成したものなので、この映画自体を政治的に操られたものとの批判も見ましたが、そもそもここに映し出されている内容をシリア国外は、そして日本は報道していただろうかと考えると、映画を作成したのが欧米だからダメだとかいうこと以前に、この映画で映し出されている状況自体がとても重い意味のある、そして価値ある貴重なものであると感じます。

 

RBSSのメンバーたちは、シリア国内にいられなくなり、隣国トルコに逃れます。

そこでも暗殺され、ドイツに渡り、それでも命を狙われる。

シリアに残ったメンバーや、知り合いも当然いて、それらの人たちが殺さるのも目の当たりにします。

 

それでも決して活動をやめることがなく、警察からの保護の申し出も断る。

「強さ」と言ってしまえばとても簡単なのですが、メンバーの多くがほとんど常にタバコを吸っている姿から、常に恐怖や重いストレスを感じながら生きているということが感じ取れました。