映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

エルモア・レナード『オンブレ』

久しぶりに小説の感想を。

今回読んだのはこの作品です。

 

オンブレ (新潮文庫)

 

著者:エルモア・レナード (Leonard,Elmore)

訳者:村上春樹

 

作品概要

アリゾナの荒野を行く七人を乗せた駅馬車――御者メンデスとその部下アレン、十七歳の娘マクラレン、インディアン管理官フェイヴァー夫妻、無頼漢のブレイデン、そして「男(オンブレ)」の異名を持つジョン・ラッセル。浅黒い顔に淡いブルーの瞳、幼少期をアパッチに育てられた伝説の男と悪党たちが灼熱の荒野で息詰まる死闘を繰り広げる。レナードの初期傑作二作品を、村上春樹が痛快無比に翻訳!

 

勝手に五段階評価

★★★★☆

 

感想

エルモア・レナードの作品は読んだことがなかったのですが、僕が小説を読むようになったのは村上春樹作品を読んだことがきっかけで、今でも村上作品や、村上春樹が訳した本は大体読んでいます。

ということで、この作品は村上春樹が翻訳しているということで、とりあえず買っておいて、積ん読されていたのですが、読んでみました。

 

訳者あとがきで触れられているような西部小説だけでなく、西部映画もあまり観たことがないのですが、とても面白い作品でした。

 

この『オンブレ』には表題作と「三時十分発ユマ行き」の2つの作品が収められているのですが、僕としては、「三時十分発ユマ行き」の方が気に入りました。

それは、まずコンパクトにも関わらず、物語の中心的な登場人物2人の掛け合いが絶妙なこと。

緊張感がありつつも、2人の中にユーモアを感じさせ、終始飽きさせることがありません。

 

「オンブレ」も登場人物達のキャラクターは際立っているものの、僕としては「三時十分発ユマ行き」のほとんど2人だけにも関わらず物語に緊張感やユーモアを持たせる巧みさに魅了されました。

 

この2作品とも映画化されているとのことですが(「三時十分発ユマ行き」はリメイクも)、残念ながらAmazonのリストにはなかったので、他のところで探して観てみたいと思います。