映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「2つ目の窓」

知らない作品だったのですが、Amazonでおすすめ作品で表示され、河瀬直美監督の作品だったので観てみました。

と言っても、河瀬監督の作品は、「殯の森」と「あん」の2つしか観たことがないのですが…。 

 

2つ目の窓

 

2つ目の窓 | アスミック・エース

 

作品データ映画.comより)
製作年 2014年
製作国 日本・フランス・スペイン合作
配給 アスミック・エース
上映時間 120分
映倫区分 R15+

 

ストーリー(公式サイトより)

島で暮らす16歳の少年・界人(村上虹郎)は、島に古代から伝わる八月踊りの夜、海に浮かぶ男性の遺体を発見。動揺する界人を同級生の杏子(吉永淳)が見ていた。杏子の母親イサ(松田美由紀)は島の人々の相談を受けるユタ神様として慕われてきたが大病を患う。一方、界人は恋人の影を感じさせる母親・岬(渡辺真紀子)のことを汚らわしく思っていた。界人は自分が幼いころに母親と離婚し、東京で暮らす父(村上淳)に会いに行くが、界人が島に戻ると岬は姿を消していて……。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★☆☆

 

感想

作品の中で映し出される奄美の自然、歌がとても良かったです。

主演の2人、界人(村上虹郎)と杏子(吉永淳)が色黒で現地の人をオーディションで選んだのかな、という見た目で、また、物語の後半以降で杏子が歌う様子がとても上手だったので、2人は本当に現地の人なのかな、という印象を持ちました。

調べてみたら、2人とも俳優だったのですが、それほど2人は、そこにいる感じが自然な感じで、映し出される奄美の自然と合わさって、ドキュメンタリー的な印象さえ感じました。

 

自然の営みと、映画の冒頭で映し出される遺体、杏子の母が死にゆく様子、そして、界人と杏子のやりとりで度々繰り返される杏子からのセックスの要求は、生と死というものを対比させているのですが、あからさまに 「対比です」と言わんばかりで、自分は少し引いてしまいました。

 

同じように杏子からセックスを要求するとしても、お母さんの死にゆく姿を抱えきれずに求めるとか、あるいは、言葉で要求せずに、自然な流れでセックスに至る、とか他の表現はなかったのかな、と思います。

 

その点、先日映画館で観た「万引き家族」では、最後まで観ると、「あの場面は実は生と死を対比させてたのか」とわかるようになっているというもので、生と死を対比させるにしても僕にはちょっと露骨だと感じてしまいました。