映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「湯を沸かすほどの熱い愛」

観ようと思っていた作品で、気づいたらAmazonのプライム対象作品になっていたので観てみました。

Amazonの評価でも結構高かったです。

 

湯を沸かすほどの熱い愛

 

youtu.be

 

映画『湯を沸かすほどの熱い愛』オフィシャルサイト

 

作品データ映画.comより)
監督 中野量太
製作年 2016年
製作国 日本
配給 クロックワークス
上映時間 125分
映倫区分 G

 

ストーリー(オフィシャルサイトより)

銭湯「幸の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を 葬 おく ることを決意する。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)

★★★★☆

 

感想

いきなりラストの話をするのもどうかな、とは思いますが、ラストの演出以外はとても良いと思いました。

僕にはラストは過剰な演出に感じてしまいましたし、ラストの出来事は不法行為ということだけでなく、そんなにうまくいかないと思い、最後の最後で現実味のない話になってしまって残念でした。

それでも、タイトルの「湯を沸かすほどの熱い愛」というものが何を意味しているのかを示すためにも必要だったということはわかりました。

 

この映画も家族とは何か、ということ、そして、生と死を扱っています。

家族とは何かということを考える展開としてはとても感動的な部分もありましたし、何よりも家族の中心である双葉を演じる宮沢りえの演技はとても素晴らしいものでした。

単に線が細く、死にゆく病におかされている人、というだけならば見た目から感じることが出来ますが、夫の失踪後も家族をまとめようとする力強い姿は、見た目のみではなく、内面からエネルギーがあふれているように見えました。

 

物語としては、家族、死というものを扱うのならば、生に関しても触れて欲しかったな、と思いました。

死と生は切り離せないもの、というか、生というものをどう表現するかによって、死をどのように捉えているかもわかるからです。

 

当然、死と生は対極にあるものという考えもあるでしょうし、死と生は延長線上にあるものという考えもあります、それらが少しでも垣間見えたら、もっと深く刺さる作品になったように思います。