映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「リンカーン弁護士」

Amazonで評価が高かったので観てみた映画です。
ダウンロードしていたのですが、なんとなく見そびれていて、視聴期限が終わりそうだったので慌てて観ました。

 

リンカーン弁護士 (字幕版)

 

作品データ映画.comより)
監督 ブラッド・ファーマン
原題 The Lincoln Lawyer
製作年 2011年
製作国 アメリ
配給 日活
上映時間 119分
映倫区分 PG12

 

あらすじシネマトゥデイより)
ロサンゼルス中を高級車リンカーンで奔走するやり手弁護士ミック(マシュー・マコノヒー)の顧客は、主に麻薬の売人や娼婦(しょうふ)たちだ。ある日、彼の元に殺人未遂容疑で訴えられた資産家の息子ルイス(ライアン・フィリップ)の事件の依頼が舞い込んでくる。ミックは彼の十八番の司法取引で事を丸く収めようとするが、ルイスは無実を訴える。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

 

感想
原作は小説(『リンカーン弁護士(上)』、『リンカーン弁護士(下)』)です。

リンカーン弁護士」の「リンカーン」がどこから来ているのか、最後までよく分かっていなかったのですが、最初から何度もアップで映し出されていた、車のリンカーンから来ていました。
弁護士事務所にいる様子は映し出されず、リンカーンに乗っているところか、自宅か、裁判所かといった感じでした。

なぜ何度もリンカーンに乗っている主人公ミックを観ていながら気付かなかったのかというと、車にあまり興味がない、ということもあるのですが、映し出されるたびにアップで映るナンバープレートの「NTGUILTY=Not Guilty=無罪」に目が行っていたからです。

このナンバープレートに記されている文字が、最後までとても重い意味を持っていました。
ミックの元に不釣り合いな依頼主が依頼してくる。
なぜなのか、ということには深く突っ込まずに依頼を受けるのですが、実はそれは依頼主の他の罪をも黙らせる意図があった。

依頼主を無罪にすることが仕事のミックは、秘匿特権もあり、依頼主から話された内容を明らかにすることが出来ない。

依頼主と弁護士が味方であって、敵同士という情況で、ミックの仕事仲間であるフランク(ウィリアム・H・メイシー、この人が監督した「君が生きた証」も秀作) も殺されてしまう。

この、ギリギリの攻防戦が面白いというか、最後まで物語に飽きさせず引きつけました。

「悪(わる)」っぽい感じと子どもを愛する父親としての姿や、元妻といつまでも関係を持ち続けているところなどが混じり合わないように感じるので、もう少しジメッとしたところがあっても良いような気がするのですが、それも、最後に検事(?)から言われる「お前は味方か敵か分からない」という特徴を体現しているとも言えるのかと思います。

この、正義か悪か分からない、あるいは味方か敵か分からない、という役はマシュー・マコノヒーという人に本当に合っていると思いました。