映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

町山智浩『トラウマ恋愛映画入門』

 1人で暮らすようになってから頻繁に映画を観るようになり、先日紹介した本の著者であり映画評論家の町山智浩さんの映画紹介なども目にするようになりました。
 先日読んだ本のは、映画にももちろん絡んでいたものの時勢のコラムだったので、今回は映画そのものを書いた本を読んでみました。

トラウマ恋愛映画入門


 この本の中には22の映画コラム(評論)が載っていて、大体が2011~2013年に雑誌「小説すばる」で連載されていたものです。
 なので、2013年以降の映画については言及がありませんが、触れられている映画の多くは、2011~2013年という時期とは関係がなく、それまでの数十年の映画史の中で町山さんの記憶に残る映画が触れられています。

 この本のコラムがとても良かったのは、主題となる作品があるものの、決してそれだけに言及するのではなく、作品の制作者が他に作った作品や影響を受けている作品、演じている俳優たちの他の作品、また、原作がある場合には原作との違いなど、1つの作品を中心としながらも、その1つの作品の背景やその作品が影響を及ぼしたものまで触れられている点です。

 家事・育児にかかる時間がなくなったので、その分の時間で映画を観たり本を読んだりしていますが、Amazonだけで観ていてもまだまだ自分が観ていない映画が無数にあることを痛感していましたが、この本に出てくる作品のほとんども観たことがありませんでした。
 特に僕は自分が生まれる前の作品はほとんど観たことがなく、今までもあまり積極的に観ようとしてきませんでしたが、自分が生まれる前から映画は無数にあったわけで、その流れの中で今の作品もある、ということを改めて教えられました。

 なるべく節約するため、ということでAmazonで無料で観られる作品ばかり観てきましたが、この本で紹介されていた作品は最新作というものがないので、逆にそのおかげで安くレンタル出来るので、借りて観てみたいと思いました。