映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「アイアムアヒーロー」

 原作の漫画を少し読んだことがあり、劇場公開された当時から観たいなとチェックしていた作品がAmazonで観られるようになっていたので、観てみました。
 


アイアムアヒーロー

 

youtu.be

 

映画『アイアムアヒーロー』Bluray&DVD特設サイト

 

作品データ映画.comより)
監督 佐藤信
製作年 2016年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 127分
映倫区分 R15+

ストーリー(特設サイトより)
鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。
そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形の姿」。一瞬にして現実の世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを懸けた極限のサバイバルが始まった…。果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか!?

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 
原作は漫画です(花沢健吾『アイアムアヒーロー(1)』)。
 原作は完結しているのですが、僕は内容のグロテスクさもあり、最初の数巻しか読んでいません。

 ホラーも苦手ですし、スプラッタものも苦手です。
 立ち会った子どもたちの出産では2回とも具合が悪くなった経験があります。

 それなのになぜ観たいと思ったのかと言うと、主演が大泉洋だったからです。
 大泉洋は好きな俳優で、「水曜どうでしょう」などのバラエティも「探偵はBARにいる」も割と好きです。

 この映画を観始めるとき、レイティングがR15+になっているのを見て、何が子どもたちにとって見てはいけないのだろうか、と疑問に思ったのですが、すぐに分かりました。
 作品内ではZQN(ズキュン)とは言っているけれども、ゾンビのようになった人間が襲いかかってくるので、これでもかとそのZQNを殺しまくる。
 その殺戮の様子は明らかに要注意の作品でした。

 物語としては、ある日突然謎の感染症が拡大し、感染した人たちが人を次々に襲うようになりパニックなる。
 主人公は親しい人たちが感染し、襲われつつもくぐり抜け、解決のヒントがあると聞いた場所に向かう、というものです。
 プロットとしては、「ワールド・ウォーZ」と変わりません。

 けれども「ワールド・ウォーZ」よりも良かったと思うのは、ZQNと呼ばれるゾンビがモブ(モブキャラクター、群衆)ではなく、1人のキャラクターとして描かれていたことです。
 少し前まで一緒に戦っていた仲間だったり、妻だったり、とZQNになったとしても、それぞれの人間というかキャラクターを忘れていない。
 この点が良かったです。
 「ワールド・ウォーZ」では感染が拡大するにつれ爆発的に増えるゾンビはモブとしてでしか描かれなくなりますが、あくまでも一対一の戦いであるかのように描いていた点は良かったです。

 また、漫画のラストとは違うようなのですが、オープンエンドというか、1つの山場を超えた所で終わっていたのも良かったです。
 この後どうなるのかや、なぜZQNが拡大したのかなど様々な疑問がわいてくるものの、途中で終わっているからこそ、それらの疑問に答える必要がなく、ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、想像をかき立てたままに終わっているのが良かったと思います。