映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「おっさんずラブ」

 ちょっと調子が悪いので気軽に観られるものが良いな、と思っていたら、以前母が面白いと言ってたTVドラマがAmazonでも観られるようになっていたので、観てみました。 


おっさんずラブ

 

土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』|テレビ朝日

 

作品データ
放送時間 土曜 23:15 - 翌0:05(50分)
放送期間 2018年4月21日 - 6月2日(7回)
放送国 日本
制作局 テレビ朝日
脚本 徳尾浩司

あらすじ―第1話(公式サイトより)
 結婚したいのに全然モテない33歳の独身男・春田創一(田中圭)は通勤中、痴漢に間違われたところを、尊敬する敏腕上司・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に助けられる。ところがホッとしたのも束の間、春田の目には“見てはいけないもの”が飛び込んでくる。それは…黒澤の携帯のロック画面に映し出された、春田のキメ顔写真! え、え、え? 何? いまの何!?―――動揺する春田だが、さらに仕事中、黒澤のパソコンでとんでもないものを発見。なんと“spring”と名付けられたフォルダに、春田の隠し撮り写真が大量に保存されていたのだ! まさか部長…俺のことを…いやいや、確かに運命の恋にいつか巡り合えると信じて生きてきたけれど…こ、これは…
 「神様。僕が希望していた運命の恋とは、少しテイストが違うような気がします」
 完全にパニくった春田は黒澤を一方的に警戒し、挙動不審に…。そんな中、後輩のイケメン社員・牧凌太(林遣都)が本社から異動してくる。牧は礼儀正しく、仕事にも一生懸命。しかも、料理までも得意らしい。折しも、息子の自立を心底願う母親に突如家出され、家事もままならず途方に暮れていた春田は、牧に同居を提案。さっそく引っ越してきた牧の“女子力”に、春田は感動しまくりで…!
 その頃、運命の歯車は怒涛の勢いで回り始める。なんと、黒澤が春田を呼び出したのだ。やけにムーディーな待ち合わせ場所で春田を待っていたのは…バラの花束を持った黒澤! しかも、男気あふれる黒澤の口から飛び出したのは、「はるたんが…好きです!」という、乙女すぎる愛の告白で…!?


勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 母はリアルタイムで観ていて、僕はその頃うつ病が最悪な状態で、家から追い出されてどん底にいた時期で、しかも、テレビもないので観ていませんでしたが、今更ながら、母はよくこのドラマを観ようと思ったな、と思います。

 面白かったので、続けて全部見たのですが、全部で7話というコンパクトさも間延びする部分がなくて良かったです。

 冷静に考えると、親子ほども年が離れている上司から恋愛対象として見られること、そしてアプローチされること自体、セクハラにもなる危うさがありますし、不動産関係の職場にいる男性5人中2人がゲイで2人がバイセクシャルの可能性がある、というのはさすがに集まり過ぎでは、という感じがします。

 けれど、このドラマで一番良かったと思ったのは「ゲイ」とか「バイセクシャル」だとかいう言葉を一切使わずに、「恋愛」を描いていた点です。
 セクシャルマイノリティやそれらを示す言葉を一切使わなかったことで、あくまでも登場する人物たちの「人を好きになる気持ち」と「それを伝えられて揺れ動く気持ち」に焦点が当たっています。

 なので、男性から告白されて戸惑う主人公の様子が描かれるものの、あくまでも恋愛ドラマとして楽しめる内容になっています。
 また、コメディタッチになっているので、セクシャルマイノリティとは何かとかを逆に深く考えさせないようにさせているようにも感じました。
 それは放送当時深夜帯の放送で恋愛ドラマにも関わらず、キスシーンしかないことも象徴的でした。
 深夜帯で恋愛ドラマであれば、そして当然その中の登場人物たちが付き合うことになれば、セックスシーンというか、それを思わせるシーンがあるはずなのですが、結婚というところにいっても、描かれることはありませんでした。
 パートナーとの関係では、セックスというか、広くスキンシップがすごく重要だと思うのですが、それがあまり描かれていないのは、まだセクシャルマイノリティの恋愛というものをコメディタッチにしないといけなかったり、セックスを想像させることもタブーな現状があるのかな、と思いました。