映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「オーバーボード」

 Amazonプライムで新しく見られるようになった作品として表示された作品で、レビューの評価が高かったので観てみた作品です。 


オーバーボード (字幕版)

 

作品データ映画.comより)
監督 ロブ・グリーンバーグ
原題 Overboard
製作年 2018年
製作国 アメリ
上映時間 112分

ストーリー
 ケイトは労働者階級の出身で、女手一つで3人の子供を育てていた。ある日、ケイトはヨットの清掃員として雇用されることになった。ヨットの所有者であるレオナルドはプレイボーイであり、金持ち特有の嫌みったらしさが滲み出ていた。ケイトは傲慢なレオナルドに耐えていたが、理不尽な理由で解雇されてしまった。その後間もなくして、ケイトはレオナルドがヨットから転落して記憶喪失になったという話を耳にした。未払いになった賃金を取り戻すべく、ケイトはレオナルドが入院する病院へと直行した。そして、記憶があやふやになっているレオナルドに向かって「貴方は私の夫だった」という嘘を吹き込んだ。それを信じ込んだレオナルドはケイトの家で育児を担当することになったが、慣れない家事に悪戦苦闘することになった。
 時が経つにつれて、レオナルドは家事をマスターし、子供たちとも仲良くなっていった。その様子を見ていたケイトは嘘をついたことに罪悪感を覚える一方、いつレオナルドに真実を明かすべきか頭を悩ませるのだった。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 この作品は1987年に公開された「潮風のいたずら」をリメイクしたものだそうですが、僕は「潮風のいたずら」を見たことはありません。
 物語のプロットとしては、働いたこともなく遊んで暮らしている資産家の息子レオナルドが記憶喪失になり、彼に復讐しようと考えた主人公ケイトが夫婦だと言って引き取り生活する中で、レオナルドもケイトやその子どもたちを愛するようになり、記憶が戻ってもやはりケイト一家と共に生きることを決意する、というものです。
 ものすごく大きな流れで言えば、ラストの展開を含め、新約聖書に載っている放蕩息子のたとえ話に似ている感じがします。

 レビューではなんだか評価が高いのですが、よく言えば何も考えずに笑ってみていられる作品で、悪く言えば平凡で特に大きな感動もない作品ということが出来るような気がします。

 僕が良いな、と思ったのは、最後には愛が勝った、という訳でもなく、まさに放蕩息子で父が息子を迎え入れるように資産家である父の胸の内に収まる、つまり、最終的にはお金も大事だよね、ということも描かれている点が良かったです。

 また、日本でも同様ですが、子どもを育てるシングルマザー家庭の生活の厳しさ、ダブルワークしながらも、なんとか家族や友人に頼りながら生活し、(まだ余力のある人は)そこから少しでも抜けだそうとする姿や、そのダブルワークでの職場が移民(この作品ではスパニッシュ系)がメインだという現実を描かれているのも良かったです。

 まぁ、現実的に考えれば、お金のある人がこうして貧困家庭の、しかも子どもを育てるシングルと出会って、結婚して、ハッピーになるなんてことはあるわけがないので、どこのおとぎ話なんだか、という気もしますが、おとぎ話が好きな人には楽しめるのかな、と思います。