映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

Jam『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』

 年末にふと「日本タイトルだけ大賞」の2018年の受賞作がSNSで流れてきました。

第11回 日本タイトルだけ大賞|結果発表

 「日本タイトルだけ大賞」という賞があること自体知らなかったのですが、その受賞作品を観ていたら、受賞作は結構知っている本でした。
 その中の一つだったこの『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』も表紙を見たことはあって、内容に興味もあったけれど、読んでいなかったので、他の受賞作品から内容も考えて選んでいることが分かったので、読んでみることにしました。

 


多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 Kindle版

 

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。|サンクチュアリ出版

 

内容紹介サンクチュアリ出版より)
SNS・会社・友達…
ここにいない誰かからココロを守る64の考え方
Twitterで累計50万以上リツイートされて話題のマンガ!
SNSからリアルな人間関係まで。
現代社会の悩みを解決する、目からウロコのちょっとした「考え方」のヒントがここに。


感想
 元々はTwitterで人気が出たようで、猫を擬人化した4コマ漫画に、著者のJamさんの文章が載っています。
 出版社の宣伝文にある「現代社会の悩みを解決する、目からウロコ」というのはちょっと大げさのような気もしますが、生きていく上で大切にしたいと思うことを確認できるような内容でした。

 たとえば一緒にいるのに、相手がスマホにばかり気を取られていることに対して、「なんか…透明人間みたいだね」という場面の4コマ漫画では最後に「目の前にいるのに見えてないから」という台詞が書かれています。
 4コマ漫画、そのあと著者のJamさんによる文章とその内容をまとめた一文が載っているのですが、そこにはこう書かれていました。

目の前にいる人が、自分にとって本当のその人

 
 僕自身は一対一でいるにも関わらず誰かにこのようなことをされた経験はありませんが、カップルでいるのに2人ともスマホに夢中でいるような人とかを見ると、違和感を感じていたのですが、それがこの「透明人間みたい」という場面と言葉で表されていました。

 他にも、あの人はいい人、この人は悪い人と判断してしまうことに対して、「いい人悪い人は「今の自分にとって」都合のいい人悪い人」と書かれていたり、ちょっとドキッとするような指摘もありました。

 読んでいて素敵だなと思ったのは、「大切な人には毎日花に水をやるように、優しい言葉をかけるのが大事」ということや、今の仕事(あるいは生き方)を続けていいのかという悩みに「電車を乗り換えないと目的地に行けないように人生のレールも乗り換えないと先へ行けないことだってあるよ」という言葉です。

 また、僕自身は自尊心や自己肯定感というものが低いと自覚しているので、どうしても「自信」というものがありません。
 もっと自信を付けなきゃとか、今までで培ってきたものに自信を持って、と言われても、それが出来ていれば、そもそもそれで悩んでいないんだよなぁ、と思っていたのですが、そのことについても「「自信が無くても今までなんとかやってこれた」そう思うと、かなり気が楽になりました。」と書かれていました。
 確かに、自信は無かったし、今も自信はないけれど、僕の場合30年以上「なんとかやって来られた」訳で、そう思うと、自信がなくてもなんとかなってきたんだし、まぁ、大丈夫かな、という気がしてきました。

 それと、この本のタイトルにもなっている「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」という言葉も、なんかすごく傷ついたり、むかついたり、悲しい出来事が会ったときに、ふとこの言葉を思い出すと笑えてくるというか、それらがふっと軽くなるような気がします。
 この言葉を知れただけでも良かったと思いました。