映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

家庭裁判所の待合室で感じたこと

 先日の調停で合計5回目の調停を経験したことになるのですが、多分殆どの人は調停など経験しないでしょうし、そこでの様子が興味深かったので、書いてみたいと思います。
 調停の様子といっても、調停委員と僕とやり取りするときには、一つの部屋で調停委員2人(男女)と僕だけなので、毎回違っていて興味深いなと思うのは、待合室にいる人たちです。

 調停は、調停を申し立てた側の申立人待合室と申し立てをされた側の相手側待合室に分かれています。
 東京家庭裁判所の場合、様々な調停申し立てがある中でも、調停の内容が僕らのように、夫婦あるいは内縁関係に関するものやその財産分与に関しては同じ階になっているようです。
 なので、僕と同じように申立人待合室にいる人たちは、夫婦関係に関するものやその財産分与、あるいは子どもの親権に関して、申し立てを行っている側の人間がいることになります。

 

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 その待合室にいる人たち(大体10組くらい)を見ていて、僕が一番最初に気付いたことは、殆どの人が弁護士と来ている、ということです。
 僕は弁護士に相談することはあっても依頼しているわけではないので、1人で調停に行くのですが、5回の調停で毎回違う人たちが来ている中で、1人で調停に来ている申立人は大体10組中1組か2組です。
 つまり、大体10組くらいの申立人側の人たちがいる中で、弁護士に依頼しないで来ているのは、僕だけか、あるいはもう1人いるくらいです。

 これから感じられるのは、調停自体がものすごくハードルの高いものになっている、と言うことです。
 僕は法律の専門的な知識もなく、学んだ経験もありませんが、調停の申し立て自体は誰もができるものですし、簡単に行えます。
 家庭裁判所内にも相談窓口があり、申し立てに関しての相談をすることも出来るので、どのようにすれば良いのかも(裁判所の場合「無料」で)相談に載ってくれます。
 本来ならば、もっと気軽に行えるはずの第三者を交えての話し合いである調停が、ものすごくハードルの高いもの、経済的にも負担の大きなものになっているような気がしています。
 もちろん、弁護士などの専門家に依頼した方が交渉がスムーズに行くということもあるのでしょうが、申し立て自体は簡単にできるということはもっと知られて良いと思います。

 上に書いたように申立人と言っても、その殆どが弁護士を伴っていることからも類推出来るのですが、そこにいる人たちはある程度の経済的な余裕があるように感じます。
 僕は毎回これから大学でも行くの?というようなカジュアルな服装で行っていますが(ハイキング行くかのような服装の時も)、他の人たちは殆ど入学式の保護者のような格好です。
 見るからにお金がかかっているような服装の人もいますし、なんとなく「公式な場」ということでそのような服装をしているのかも知れませんが、とりあえずそのような「入学式の保護者」のような服装を持っているということがある程度の経済力を反映しているような気がします。

 また、その経済的な余裕と共に感じるのは、自分自身もそうなのですが、時間的な余裕がある、ということです。
 仕事を1日も休めない、あるいは休みがあったとしても、自分の都合通りにはならない、休みがあったとしても、それは本当に身体を休める時間で、とても裁判所に行くことなど出来ないような情況では調停などすることは出来ません。
 調停の場にいることが出来るということは、時間的な余裕がある、時間的な余裕を作り出せるような情況にいる、ということが分かります。

 では、調停に来ている人たちの男女差や年齢はどうかというと、これはまとまってこうだ、というものは感じたことがありません。
 そもそも結婚の経験がある人たちが来ていて、調停になる場合は子どもがいることが多いようなので、年齢のボリュームゾーンは30代から40代のような印象は受けますが、これは見た目なのでよく分かりません。

 また男女比もどちらかに偏っている印象もありません。
 他に印象に残っているのは、とてもきれいなというか、容姿にお金がかかっているだろうと思われる若い女性がいたことです。

 僕自身の偏見でもあるのですが、その女性を見て「こんな人もこの場に来るようなことがあったんだな」と思いました。
 特に申立人待合室はすごく狭い間隔で長座椅子が置かれているので、近くの人たちの会話がよく聞こえるのですが、その女性が隣にいる女性弁護士に延々と愚痴っていたのが聞こえてきました。
 離婚の協議をしているようでしたが、その容姿を保っていられる経済力はどこから出てきているのかな、と考えたりしていました。

 最後に、これは自分の中ですごく重要なことなのですが、申立人待合室は喫煙室の隣にあります
 待合室まで煙が来るようなことはないのですが、待合室の隣ということもあり、タバコを吸いに行く人が多いので、待合室もタバコのにおいをした人たちでくさいです。
 4月から学校や病院、行政機関は敷地内禁煙になりますが、国会議員の圧力によって「官公庁」ではなく「行政機関」になったので、今後も裁判所内の喫煙対策は変わらないと思います。
 タバコのにおいが苦手だったり、受動喫煙が気になる方は、調停内容に関する準備だけでなくタバコのにおい対策もした方が良いと思います。