映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

益田ミリ『きみの隣りで』

 就活やらバイト(パート先)がブラック化したり、調停があったりしたので中々ゆっくり本を読む時間と精神的な余裕が無かったのですが、新聞で益田ミリさんの新刊発売の広告を見つけたので読んでみました。

 


きみの隣りで (幻冬舎文庫)

 

きみの隣りで | 株式会社 幻冬舎

内容幻冬舎ホームページより)
いつも、そこにいるよ。
だから、飛べ。飛ぶんだ。
アラサーアラフォーの胸をわし掴みにしたシリーズ累計50万突破の四コマ漫画「すーちゃん」から10年。
益田ミリの新たな代表作の誕生。
物語の主人公は、森の近くに住む早川さん。
週末には、街で働くマユミちゃんとせっちゃんが遊びにやってきます。
てくてく歩けば、毎日がきらきら。
今日も女3人が往く。

感想
 新刊だと思って手に取ったのですが、文庫としては新刊なのですが、既に単行本としては3年前に出版されたのが、文庫で出版されたとのことでした。
 内容としては、幻冬舎のホームページには益田ミリさんの代表作「『すーちゃん』から10年」とありますが、同じく幻冬舎から出ている『週末、森で』に続く内容となっています。

 地名は出てこないので特定の地域が示されているわけではないものの、都会で暮らしていた早川さんが、週末、都会から通える範囲での森がある場所に通い始めたのが前作『週末、森で』でした。

 今作『きみの隣りで』では、早川さんが週末に通っていた森のある街に暮らし始め、そこで出会った男性と結婚し、子どももいて、そこに友だちのマユミちゃんとせっちゃんがやって来るというものになっています。

 個人的に面白いというか興味深かったのが、早川さんが一週間ほど一人で旅をするというエピソードです。
 僕自身も主夫として家族と暮らしていた時、毎年ではありませんでしたが、一人で海外へ旅をしていました。
 夫や小学生の子どもからも離れ、一人で海外へ旅行するということ自体、僕以外のいわゆる「主婦・主夫」では聞いたことがなく、罪悪感を抱いていたわけではないのですが、なんだか過去の自分の行いを肯定されたような気がしました。

 週末、森へ行っていたこと、実際に森のある街に暮らすようになったこと、一人で海外に行くことなど、僕は早川さんと感性が近いと思うので、早川さんのように都会からちょっと離れているけれど、森のある街に暮らせるように、手に職つけたりしていこうと思いました。