ジャッキー・フレミング『問題だらけの女性たち』
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どこかで目にしていたか聞いていて気になっていた本が荻上チキさんのラジオ番組Session22で紹介されていました。
【音声配信】「荻上チキ推薦!女性の権利について学べる3冊!」▼『問題だらけの女性たち』『禁断の果実女性の身体と性のタブー』『生理ちゃん』▼2019年3月8日(金)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)
紹介されていた3作品の内、『生理ちゃん』は読んだことがあり、『禁断の果実 女性の身体と性のタブー』はこの時に初めて知ったのですが、『問題だらけの女性たち』は聞いたことがあったので、手に取って読んでみることにしました。
問題だらけの女性たち Kindle版
問題だらけの女性たち :ジャッキー・フレミング,松田 青子|河出書房新社
内容(河出書房新社作品紹介ページより)
女の脳は小さい?
女が考えると生殖器がダメになる!?
19世紀の女性たちがいかにバカバカしい迷信と固定観念に苦しめられたか、ユーモアと皮肉炸裂で描くイギリス発ジェンダー絵本!
笑うに笑えない、19世紀ヴィクトリア朝の「大問題」な女性観。何をするにも「問題」があると決めつけられ、「歴史のゴミ箱」に捨てられた女性たちをすくい上げる!
感想
チキさんが紹介する前にこの本のことを知った時何故読まなかったのかというと、絵本だということを知らなかったからです。
レベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』を読んだばかりだということもあり、同じような本を読むのは、とためらっていました。
が、実際に手に取ってみると、河出書房新社のホームページに書かれているように、文章がつらつらと書かれているのではなく、「絵本」になっていました。
なので、実際に手に取ってみたら、あっという間に読み終わってしまいました。
絵本なのであっという間に読み終わってしまう内容なのですが、描かれているのは、女性たちが「女性である」ということでさらされてきた偏見や差別に対する皮肉です。
それはただの皮肉ではなく、同時に男性たちが女性たちに対して持っている偏見や差別を露見させるものでもあります。
たとえば、こんな文章が載っていました。
フレデリック・カーペンター・スキーは、ヒステリーに関する講義を行いました。
フレデリックによると、典型的なヒステリー患者とは自我の強い女性のことだそうです。
度胸と呼ばれるものに満ち溢れ、恐れ知らずの乗り手だと。
それってつまり、挫折させられなかった女性ってことですよね。
今でも十分に通用する出来事を表現していると思うのですが、それと同時に現代では「女性」という言葉を違う言葉に代えることも出来そうです。
たとえば、「発達しょうがい」とか、「HSP」とか。
マジョリティというか権力を持っている人たちにとって都合が悪くなると、病気だったり、「しょうがい」だとするのは、今も変わりません。
僕は男性ですが、いわゆる一般的な男性たちが歩んできた生き方とは全く違った生き方をしてきたので、「典型的なヒステリー患者」とされてしまう側の方が多かった気もしますが、そもそもこの日本では男性が下駄を履かせてもらっているので(履かせてくれと頼んだことはないのだけれど)、誰かを「ヒステリー患者」とすることなく、常にそのことを自覚していきたいと思います