映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

やまもとりえ『30歳女子、ネコを飼いはじめました。』

 cakesで毎回楽しみにしていた連載がありました。 

cakes.mu

 
 僕が読んでいたのはcakesですが、cakesでは第1話しか今は読めないようになっていますが、こっち↓の方では第3話まで無料で読めるようになっています。

30歳女子、ネコを飼いはじめました。(やまもとりえ)|猫漫画|ねこねこ横丁

 で、読み始めた理由としては、30歳も大分過ぎた男ですが、ネコ飼いたいなぁ、と思っていたことが大きな理由です。
 元々、父親の生家は猫屋敷というか、家の前に捨て猫をされるような家で、それらのネコを祖母や父たちが育てていました。
 それで僕も小さい時に祖母の家に行くとネコが何匹もいて、いつかネコ飼いたいなぁ、と思っていて、家にいるとネコの鳴き声が聞こえたりすることもあるので、飼う機会があれば飼いたいなぁ、と(買うつもりはありませんが)。

 ということで、連載を読んでいたのですが、単行本でも出ているのを、cakesで転載していたようです(平野啓一郎『ある男』と同じパターン)。


30歳女子、ネコを飼いはじめました。 (マーガレットコミックスDIGITAL) Kindle版

 

30歳女子、ネコを飼いはじめました。 – ホーム社

 

内容ホーム社ホームページより)
恋人、婚活、趣味、仕事、なにもかも中途半端な30歳女子の下に喋るネコさんがやってきた。正論のするどいツッコミに落ち込んだり、ふて寝したり、空回ったり…。後ろ向きでも愚痴っぽくても、ネコさんの力を借りても、一歩ずつ自分らしく生きていこう。

 

感想
 コマ漫画なのと、絵もほんわかしている感じで読みやすかったです。
 タイトル通り、30歳の女性がネコを飼いはじめる話なのですが、主な内容としては、30歳女子(以下、女子)が、恋人と別れ、結婚に焦り、婚活を始めたり、やりたいと思っていた仕事も出来ずにいることに対して、ネコが突っ込みを入れつつ、女子が自分の生き方とかを改めて考えたり、仕事も徐々に好転していくという物語です。

 その中で、印象的だった2コマを紹介したいと思います。
 婚活を始めた女子にネコが突っ込みを入れるシーンです。

女子「そうよ 結婚したいわよ
   結婚して 早いとこ 幸せになりたい
   悪い?」

ネコ「何それ 意味わからん」

女子「結婚できるラストチャンスかもしれないし…」

ネコ「でたよ 「結婚」
   そんなにしたいか 結婚」

女子「結婚して 早いとこ 幸せになりたい
   悪い?」

ネコ「アカンね」

 
 このシーンが印象に残ったのは「結婚」が目的(ゴール)になっていないか?というネコの突っ込みです。
 結婚すれば幸せになれる、だから、結婚したいという女子。
 それに対して、ネコは「結婚=幸せ」ではない、ということを突っ込んでいます。

 結婚についてのやり取りの中で離婚したらどうなるかみたいな話が出てきます。

ネコ「え ちょ 待って
   それ 結婚相手 関係なくない?」

女子「ん?」

ネコ「そもそも 離婚したら
   相手の条件 意味ないやん
   「金」も 「笑い」も 相手に 求める前に
   まずは自分1人でも
   生きてけるようになって」

 
 「結婚=幸せ」と考えていたり、あるいは結婚相手が「お金」や「笑い」を持っていて、そういう人と結婚すれば自分が幸せになれる、という女子に対し、ネコは、結婚相手に自分が思う幸せである「お金」や「笑い」を求めるのではなく、自分自身で手に入れろ、と突っ込んでいます。

 結婚経験があり、(ほぼ会えない状態が続いているものの)子どももいる僕が言うと「お前は一度結婚したこともあって子どももいるからそんなこと言えるんだ」と反論が来るかと思いますが、「結婚=幸せ」だったり、誰かが持っているもので幸せだと感じたり、求めていると、その相手がいなくなった瞬間に幸せではなくなってしまいます。
 つまり、自分の幸せ自体が実は自分の幸せではなく、他人に左右される状態になってしまう。
 それはかなりリスクがあるというか、不安定な状態なので、自分自身で幸せな状態になって、そこから誰か合う人がいれば(したければ)結婚でもすれば良いんじゃないか、と。

 まぁ、でもそんなことを言えるもの、「子どもを産む」ということが僕自身の問題ではないからなのもあって、「子どもを産む」ということはどうしても相手が必要になるので、それだけは自分だけでは解決出来ない部分かな、と思います。