映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ビッグ・フィッシュ」

 Amazonプライムで観られる作品を眺めていたらレビューの評価が高かったので見てみました。
 全く知らなかったのですが、ティム・バートン監督作品で、ティム・バートンってかなり有名な監督なのに、作品リストを見てみたら、たぶん僕が見たことがある作品は「チャーリーとチョコレート工場」くらいしかありませんでした。
 「チャーリーとチョコレート工場」はすごく面白かったし、ティム・バートンも有名なのに、何故僕は殆ど見ていなかったんでしょうか、とこの作品を観終わったあとにも思いました。

 


ビッグ・フィッシュ (字幕版)

 

作品データ(映画.comより)
監督 ティム・バートン
原題 Big Fish
製作年 2003年
製作国 アメリ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 125分

ストーリーミュージカル公式サイトより)
エドワード・ブルームは昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。
自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライスやザッキー・プライスと一緒に魔女から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カールとの友情、霧の中で出会った人魚の話、団長のエイモスに雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラと出逢った話を、息子のウィルに語って聞かせていた。
幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーンと両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった-。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 父親と距離を感じている息子、特に、僕もそうですが専業主婦世帯で育った子ども、あるいは日本だと1980年代まで主流だった男は外で働き(「24時間働けますか?」)、女性は家のことをするという時代で育った身としては、父親との距離感はなんというか、とても微妙です。
 あんまり家にいないくせに口出してきて、かといって全く無視するわけにもいかない。
 毒親でもないので、完全に無視したり関係を絶つことはしないけれど、かといって積極的に関わる気にもなれない。

 息子ウィルの父エドワードは暴力を振るうこともなく、悪い父親ではありません。
 むしろ、その時代にあっても、積極的に妻や子ども、家族を大切にしてきた人です。

 けれど、その「たまにしか現れない」父親から語られることが本当のことなのか、息子にはわからない。
 小さな時は面白く聞いていたけれど、何回も聞くと「またか」と思うし、父親が語っていたことは全部嘘だったんじゃないかとも思えてくる。

 時代も含め、この父親と息子との微妙な関係を、ファンタジー要素を入れつつ、とても上手に描いているように感じました。
 もっとシンプルに言えば、こういうユーモアのある父親って良いよな、と思います。