映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

クリムト展

 この1年美術館に行く機会がなかったというか、行こうという気持ちも沸かなかったのですが、クリムト展が開かれることを知り、行ってみようと前売り券をコンビニで買って行ってきました。
 

klimt2019.jp


 行ったのは休日の午後3時頃で、入場に10分ほど待ちましたが、中はものすごく混んでいるという感じではありませんでした。
 (僕の「ものすごく混んでいる」というのは、国立科学博物館での「恐竜展」などの混み具合です。)
 1人なのと、割と背が高い方なので、人の後ろから見ることが出来、じっくり見たい作品も間近でじっくり見ることが出来ました。
(たまにものすごく有名な作品が来ると、その作品を観る為の行列があって、立ち止まって観ることも許されなかったりしますが、今回はそういうのもなかったです。)
 

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 行こうと思ったのは、なんというか、クリムトの描く女性たちがとても魅力的だったからです。 
 クリムトの絵に惹かれたのは、なんとなく既視感があるからでした。
 ヨーロッパに何カ国か旅行したことがあるので、そのときにどこかでクリムトの絵を見て、それで既視感があったのかと思いましたが、後で調べたら僕は1度もクリムトの絵の実物を見たことはありませんでした。
 

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 今まで美術館に行くときは仕事(キリスト教)と関係するからということが観に行く動機になっていましたが、今はその仕事からも離れ、純粋に絵に惹かれるという気持ちが出てきたのかもしれません。

 今回のクリムト展で前面に出されているのは「ユディトⅠ」なので、ヘブライ語聖書(旧約聖書)のユディト記をモチーフにしていて、「ユディトⅠ」は文句なく素晴らしい作品でしたし、全体を観ることで、大きさや写真には写っていないユディトが手にしている切り取った頭部との対比など、この作品の素晴らしさを改めて感じることが出来ました。

 そして、何よりも良かったのは、この「ユディトⅠ」だけでなく、様々なクリムトの絵が観られたことです。
 初期の作品から、後期の作品まで、どういう風に移り変わっていったのか。

 この美術展では、クリムトに影響を与えた人たちの作品も一緒に展示されているので、もっとクリムトの絵を見たいなと思い、今回の美術展の主催でもある朝日新聞出版が出している、ムックを手に取ってみました。 

 


プレミアム美術館 クリムト

 
 このムックが結構良かったです。
 別に実寸大で表示しなくてもというページはいくつかあるものの、美術館では展示順に従って観ていましたが、このムックではどの作品がクリムトにとってどの時代の作品なのかということもわかりやすくなっていて、今回の美術展にはないクリムトの作品も載っていて良かったです。

 専門的に知りたいというのには物足りないかもしれませんが、800円ちょっとでこの内容だったら、図録よりよっぽど良いです。

 クリムトの作品が多く所蔵されているウィーンには多分行く機会もないと思うので、今回クリムトの作品を沢山観られて良かったです。