映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「追憶に抱かれて」

 Amazonでの評価が高かったので観てみた作品です。 

  


追憶に抱かれて(字幕版)


作品データ
映画.comより)
監督 パク・フンシク
原題 Twenty Again
製作年 2016年
製作国 韓国・イタリア合作
上映時間 125分

内容Amazonより)
映画監督のミングは映画祭の審査員でイタリアへ招待され、夫に先立たれた女医のミナは、義理の娘に会うためイタリアを訪問する途中、二人は偶然飛行機で再会。20代の頃、激しく愛し合う恋人同士だったのだ。ミナは旅の残りの日々を彼と過ごすことを決意。たちまち忘れがたい愛が蘇り...。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 イタリアには1度旅をしたことがあるのですが、この作品の舞台がイタリア、そして、イタリア各地にあるカラバッジョの作品を観るために旅をするというものなので、とても懐かしく、同時に、こんな素敵なところがあるのか、と改めてイタリアに行きたいなという気持ちになりました。

 物語の内容は、韓国語の原題はわからなかったのですが、英語では「Twenty Again」となっています。
 40歳になったミナが冒頭で娘に「2回目の20歳でしょ」と言われ、恋愛でもしたら?と促される言葉がタイトルになっています。
 「Twenty Again」=2回目の二十歳、とか、もう一度二十歳とかそういった感じになるでしょうか。

 実際には、イタリアのミラノへ向かう飛行機の中で偶然再会するミナとミングが付き合っていたのは、ミナが20歳の頃ではなく、15年ほど前なので、25歳頃のことです。
 ミングが7歳上で、現在47歳ということなので、20代半ばの女性と30ちょっとの男性が一時期猛烈に愛し合っていて、結婚も真剣に考えていたけれど、色んな情況が重なって、お互いに勘違いもあり、別れてしまった、ということを今になって知る、という内容です。

 かつて付き合っていて、猛烈に愛し合っていたとしても、再会して、また猛烈に愛し合う、という流れ自体がなんというか、僕に取っては考えられない出来事なので、あんまり響いてきませんでした。
 むしろ、飛行機の中でかつて猛烈に愛していた人のことを思い出すという点で言えば村上春樹の『ノルウェイの森』のように、懐かしく思い出すと言うことの方がリアルに感じます。

 それでも、旅先で再会したので、そのときだけ、その一週間だけの関係なので、「非日常」的な出来事してあり得るように見せているのかなとも思います。
 かつての誤解が解けていっても結局そこで語られることが幻なのか夢なのか、現実なのか、本心なのかわからずモヤモヤするものの、ただ一時の目の前の快楽に身を委ねるということでそのことを考えないようにしているようにも見えました。

 僕はこういう経験がないのであんまり共感出来なかったということと、さらに、40歳だとこんなリッチな生活が送れるようになるのか、とその生活ぶりも僕の今の情況とあまりにもかけ離れていて、その点でもなんだか、「大人の恋愛」なんだろうけれど、遠い世界のように感じました。