映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(字幕版)」

 1つ片付いたと思ったら、今度はまた新しい問題が発生したというか、大きなストレスを感じる出来事が起き、うつの薬と睡眠薬を飲んでるのでまだ乗り切れていますが、いつになったら、薬を手放すことが出来るのでしょうか…。
 初っぱなから愚痴って申し訳ありませんが、ホントに毎日胃が痛かったり、手が震えたり、動悸がしたりして過ごしています。

 僕の今経験していることはこの作品に比べると屁でもない出来事ですが、日々ストレスのかかる出来事にさらされながらも、1つ1つ進めていくことの大切さを実感させてもらいました。
 まぁ、この作品を観ても、僕の抱えている問題が解決するわけでも、軽くなる訳でもないのですが、それでも一歩一歩進めていこうという気持ちをもらいました。


アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男(字幕版)

 

youtu.be

 

作品データ映画.comより)
監督 ラース・クラウメ
原題 Der Staat gegen Fritz Bauer
製作年 2015年
製作国 ドイツ
配給 クロックワークス、アルバトロス・フィルム
上映時間 105分
映倫区分 G

あらすじシネマトゥデイより)
1950年代後半のフランクフルト、検事長フリッツ・バウアー(ブルクハルト・クラウスナー)は、ナチスによる戦争犯罪の告発に奔走していたが、捜査は難航していた。ある日、ホロコーストに深く関わった親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン潜伏に関する情報を入手。バウアーは、ナチス残党がいるドイツの捜査機関ではなく、イスラエルの諜報(ちょうほう)機関モサドに情報提供しアイヒマンを追い詰める。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★★

感想
 アドルフ・アイヒマンという人物や、あるいはアイヒマンが裁判で語る様子などの映像は見たことがあったのですが、そもそも逮捕までどのような経緯があったのかについては全く知りませんでした。

 この映画では、アイヒマン逮捕(というかモサドイスラエル諜報特務庁)による誘拐)までに誰がアイヒマンの居場所を探し、特定させたのかということを描いています。
 これは日本でも同じですが、戦争で負けて、戦争が終わったとしても、戦争に加担したり、積極的に支持していた人たちは戦争後も生きていく訳で、その人たちの中には様々な権力の中に残る人も出てきます。
 身近なよく語られる例で言えば、お国のために戦えって言っていた教師が、戦後180℃考え方を変えたように。

 そんな、実際は反省もしてないし、自分たち(この場合はナチ)がやったことは間違っていなかったと考えている人たちの妨害や情報操作がありながらも、その妨害や情報操作の裏をかいて、アイヒマンの行方を追い続けたバウアー検事長(作品中では博士と呼ばれてますが)の姿を描いています。

 僕はアイヒマン逮捕だけでなく、このバウアー検事長、そして、彼の捜査を妨害しようとして出てきて物語を大きく左右する「同性愛的行為」(ドイツ刑法175条)が禁止されていたことについても知りませんでした。
 このドイツ刑法175条も大きく触れられていることで、この作品が単に過去の第二次世界大戦という出来事を振り返るだけでなく、現代でも同じことが繰り返されているということを突きつけていて、決して過去の問題ではなく、今も同じことが繰り返されているし、バウアー検事長のように、1つ1つ立ち向かっていかなければならないのだと思います。