映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

さわぐちけいすけ『僕たちはもう帰りたい』

 単行本をcakesで連載していて、cakesの連載が終わった=全部読み切ったので、感想を書いてみたいと思います。
 著者のさわぐちけいすけさんのことを初めて知ったのはTwitterです。
 そのとき、彼のツイートを引用した文章を書いたということもあり(好きなことより嫌だと思うことを大切に)、「僕たちはもう帰りたい」というタイトルにも惹かれて、毎回連載を楽しみに読んでいました。

 

cakes.mu

 


僕たちはもう帰りたい Kindle版

 

僕たちはもう帰りたい | ライツ社

 

内容(ライツ社より)
「利益出せ」「納期を守れ」「早よ帰れ」…ゼッタイムリ!
全ページ書き下ろし! Twitterフォロワー20万人突破の漫画家が描く、もう帰りたい…あの行き場のない気持ちの「取扱説明書」。
<はじめに全文>
あなたは「全日本もう帰りたい協会」というツイッターアカウントがあることをご存知だろうか?
・「行く前からすでに帰りたい」
・「冷静に考えてほしい。週5日の労働の疲れが週2日の休みで取れるわけないだろう?」
ここでは働く人々の「もう帰りたい」という気持ちが日々つぶやかれている。
このアカウントのフォロワー数はなんと…ご…54万人!
こんなにも多くの人が帰りたいと願っていて…なぜ帰れない?
例えば…
・なぜ無意味な残業に付き合わされる?
・「板挟み」状態をどうすればいい?
・上司の無茶振りにどうやって対処する?
・なぜうちの会社は効率が悪いんだ?
・妻でも母でも社員でもない私の時間が欲しい
・何を最優先にすればいいんだろう?
・自分の居場所は本当にここなのだろうか?
「もう帰りたい」と願う理由も…年齢も…性別も…立場も全く異なる…これから始まるのはそんな人々のお話。

感想
 僕自身は、30代半ばになるものの、いわゆる企業で正規雇用で働くのはこの春からが初めての経験なので、先輩や上司に「気を遣って帰れない」とかそういうのは経験したことがありません。
 むしろ、非正規だったので、雇う側にとっては残られると残業代を支払わなければならず、僕も残るとむしろ怒られちゃうので、いかに残らずに帰るかが重要で、「気を遣って帰れない」など無縁でした。

 この春から、一般企業で正規雇用で働き始め、働き方の考え方の違いには戸惑ったものの、その戸惑いも、残業というよりも、学校では担当の授業時間など必ずいなくてはならない時にいることと、成果を出していれば良かったのが、休日には仕事をしないとか(当たり前なのかもしれませんが、教員は「休み」(=学校に行かない日)でも仕事してる人が大半だと思います)、就業時間をきっちり報告することだったり、社内ルール(だけならまだしも、上司の個人的ルール)に戸惑うというような感じです。

 そんな僕も、「気を遣って帰れない」というようなことはないのですが、上司とそりが合わず(もっと上の上司に相談したら「パワハラ」に当たると言われました)、「早く帰りたい」と割と毎日思っています。
 で、実際、仕事終わったら、さっさと帰っています。

 企業に勤め始めたばかりなのに「分かるわー」という場面が多く苦笑しつつも、作品に出てくるようなバーがあれば良いのに、と思わずにはいられません。