映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」

 ちょっと疲れ気味でなので、のんびりしたいなぁ、ということと、外国語映画だと台詞がすっと入ってこなかったりするので、日本の映画でのんびりした雰囲気をAmazonプライムのレビューなどから感じたので見てみた作品です。
 


さいはてにて やさしい香りと待ちながら

 

さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~|東映[映画]

 
作品データ
監督 チアン・ショウチョン
製作年 2014年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 118分
映倫区分 G


ストーリー東映より)
能登日本海、“さいはて”の海辺に吉田 岬(永作博美)がやって来る。岬は朽ちかけた舟小屋を改装し、焙煎珈琲店「ヨダカ珈琲」として営業を開始する。「ヨダカ珈琲」の向かいには一軒の民宿が建っていた。そこに住むのはシングルマザーの山崎絵里子(佐々木希)とその娘・有沙(桜田ひより)、息子の翔太(保田盛凱清)。生活のため、金沢で働く絵里子はしばしば、幼い姉弟を置いて家を空ける。絵里子にとっての、頼りの祖母・山崎由希子(浅田美代子)も今は入院中。時折訪ねてくる絵里子の恋人の男(永瀬正敏)も、姉弟にとっては恐怖の存在でしかない。幼い姉弟はたったふたり、肩を寄せ合って母のいない日を過ごしていた。そんな中、海辺に出来た珈琲店に興味津々となる。岬は姉弟に手を差し伸べ、ふたりも次第に岬に心を開いていく。
一方、母・絵里子は生き方も価値観もすべてが異なる岬に当初は嫌悪感を抱いていた。
だが、偶然にも岬の危機を救ったことにより状況が一変。
一杯の珈琲がふたりの傷ついた心を癒し、ふたりの友情を育んでいく…。
そして「ヨダカ珈琲」には、有沙の担任教師の城山 恵(臼田あさ美)をはじめ、地元の人々が集まるようになり、店には女性ふたりと幼い姉弟の笑顔が溢れ出す。
こうして“さいはて”の地は、岬にとっての“かけがえのない場所”になっていく。
そんな中、絵里子は岬が珠洲にやって来た本当の理由を知ることに。それは、漁師だった岬の父(村上 淳)にまつわるもの。そして父について衝撃の事実が岬にもたらされ…。

 

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 幼い頃に両親が別れたことによって生き別れたままだった父親の死亡を伝えられる場面から物語が始まります。
 最初どういうことかよく分からなかったのですが、漁船に乗っていたけれどその漁船がそのまま行方不明になってしまい、行方不明から一定の期間が経ったので、「死亡」と見なされたという連絡が来たとのことでした。
 30年以上も会っていなかった父親の死だけでなく、借金とボロボロで資産価値がない舟小屋を引き渡しを受けます。
 もちろん拒否することも出来るのですが、娘である岬はそのすべてを引き受けることにし、父の舟小屋へ行き、修理し、コーヒー店を始めます。

 その舟小屋の前には民宿があり、その民宿では、街に行き性風俗で稼ぐシングルマザーと2人の子どもが暮らしていて、明らかに生活は困窮し、母が街へ行っている間、子どもたちが放置(ネグレクト)されている。
 コーヒー店を始めた岬と子どもたちが徐々に仲良くなり、街から帰ってきた母は最初拒否するが、彼女とも仲良くなっていくと共に、父たちが乗っていた漁船や遺骨が見つかる、というものです。

 終始ゆったりとした落ち着いた雰囲気で良かったですし、小さい頃の思い出しかない子どもが父にもう一度会いたいという気持ちを持つことも自然なことだと感じました。
 けれど、父の死を突きつけられたときにもの凄いショックを受ける岬の姿を描きつつも、では何故30年以上も父を探さなかったのかが分かりませんでした。

 父を探そうと思えば出来たはずですし、父と最後に別れた舟小屋に戻って改修するところから始まるので、その舟小屋行けば会えたはずです。
 なのに何故会いに行かなかったのか。
 その背景が分からなかったのと、性風俗や男に依存しないと生活出来なかったシングルマザーがこんなに簡単にその情況(特に精神面で)から抜け出せるとは思えませんでした。

 それでも、子役2人はとても上手で、特に有沙の学校で辛い目に遭いながらも、母親のことをかばう姿や、岬に認められて少しずつ自信を持ち、やわらいでいく表情が印象的でした。