映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「サバイバルファミリー」

 Amazonプライムで観られる作品リストを眺めていたら評価が高かったので観てみた作品です。

 


サバイバルファミリー

 

サバイバルファミリー - 映画・映像|東宝WEB SITE

 

作品データ映画.comより)
監督 矢口史靖
製作年 2017年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 117分
映倫区分 G

ストーリー東宝WEB SITEより)
ある日、突然サバイバルが始まった ―――!?
東京に暮らす平凡な一家、鈴木家。さえないお父さん(小日向文世)、天然なお母さん(深津絵里)、無口な息子(泉澤祐希)、スマホがすべての娘(葵わかな)。一緒にいるのになんだかバラバラな、ありふれた家族…。
そんな鈴木家に、ある朝突然、緊急事態発生! テレビや冷蔵庫、スマホにパソコンといった電化製品ばかりか、電車、自動車、ガス、水道、乾電池にいたるまで電気を必要とするすべてのものが完全にストップ!ただの停電かと思っていたけれど、どうもそうじゃない。次の日も、その次の日も、1週間たっても電気は戻らない…。情報も断絶された中、突然訪れた超不自由生活。
そんな中、父が一世一代の大決断を下す。
≪東京から脱出する!!≫
家族を待ち受けていたのは、減っていく食料、1本2,500円まで高騰する水、慣れない野宿。高速道路は車ではなく徒歩で移動する人でいっぱい、トンネルは真っ暗すぎて、一歩も進めない。しまいには食糧確保のために、必死で野ブタを追いかけることに…!?
一家は時にぶつかり合いながらも、必死で前へと進むが、さらなる困難が次々と襲いかかる!!
果たして、サバイバル能力ゼロの平凡一家は電気がなくなった世界で生き延びることができるのか!?
今、鈴木家のサバイバルライフの幕があがる!!

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 知らない作品だったのですが、面白かったです。
 それもそのはず、観終わったあとで知ったことですが、監督が矢口史靖さんで、「ウォーターボーイズ」でヒットし、最近の作品だと「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」が面白かったです。

 この作品はある日突然、電力が使えなくなり、電力を必要とするあらゆるものが使えなくなる中で生き抜いていく、ある家族を追っています。
 電力が必要なものなので、当然携帯(スマホ)やパソコン、電車も使えませんし、バッテリーが使われている車類も動きませんし、飛行機も飛びません。
 他にもATMも使えないので、お金も銀行から引き出すことが出来なくなります。

 1日や数日ならまだ楽しむ余裕があったものの、それが1週間経ち、数週間経つとさすがに食べ物も水もなくなり(浄水場も電力が必要なので供給されない)、「サバイバル」情況に陥る。
 その中で、口だけ偉そうに振る舞う父、魚をさばくことも出来ない母、家族とはほとんど話をせずにジャンクフードで過ごす大学生の息子、高校生の娘の鈴木家4人が最終的に、母の出身地である鹿児島の実家へ向かうという物語です。

 途中、僕の実家がある地元が出てきたり、東名高速を使って移動するので関東に暮らす人にとっては結構馴染みのある場所が出て来るのですが、僕の地元は良いとしても、よくここまで大がかりな撮影が出来たな、とまずはそれに感心しました。

 サバイバル術や道具に関しては、僕は山に登る装備があるし、小さな時から父に連れられ各地をキャンプさせられていたので割となんとかなりそうだなと思いつつも、それでもやっぱり知らないことも結構あったので、興味深かったです。

 一番良かったのは、深津絵里というかお母さんの存在で、家族の調和を取っているところでした。
 口だけの夫に従いつつも、実はやっぱりこんなことを考えてたんだ!という場面もあって、それでもキレることはなく、家族の調和を保とうとする。
 女はこんなに大変なんだ!と表現することも出来る役柄だと思うのですが、そういう「不満」を見事に昇華(消化)させつつ、誰もが「この人がいないとこの家族は家族としてなり立たない」ということを分からせているところがとても良いな、と思いました。

 こんなことあり得ないし、と一笑に付すことが出来ないのは、東日本大震災を経験しているからで、そうすると僕はどうやって過ごそうかというと、本でも読んで過ごせば良いやと思うのですが、その本の殆どは自炊(電子化)してしまっているので、水や食べ物よりも、「時間」をどう過ごすかが一番の課題になりそうです。