おおのこうすけ『極主夫道』
先日、子どもたちと行ったとしまえんの帰りに、駅構内の書店で前面に展開されていて、それを見た次男が「これ読みたい」と言ったので買いました。
前面にドーンと展開されていた割には、狭い書店内には既刊の1、2巻が揃っていなかったので、池袋の三省堂で1~3巻まで買いました。
(ちなみに、長女はドラえもんを所望し、とりあえず1&2巻を買いました)
ということで、次男に買ってあげたものの、僕も前から少し気になっていた作品だったので、僕は僕で電子書籍版で読んでみました。
極主夫道 1巻: バンチコミックス Kindle版
内容(新潮社より)
元・最凶ヤクザが選んだのは、主夫としての道だった――。 鬼才の新鋭作家がおくる、アットホーム任侠コメディ!
感想
僕がこの作品の存在を知ったのはそれこそ、僕自身が主夫生活の終盤を迎えようとしていたときだったので、興味こそあれ、触手は伸びませんでした。
人気が出てきた去年から今年にかけては完全に僕は主夫ではなくなりましたし、次男が読みたいと言ったのは、僕が主夫だったからではなく、ネット上で無料で何話か読め、それが面白かったからだそうです。
実際、読んでみて、上に載せた内容に書いてある通り「コメディ」なので、笑って読めました。
何故彼が主夫になったのかという点については(まだ)描かれておらず、そもそも主夫を受け入れられない周囲との人間関係やそれに対する本人の葛藤といったような微妙というか繊細な展開は皆無です。
そもそも主人公の龍自身が「ヤクザ」というマイノリティだったこともあり、主夫になっても特にマイノリティとしての葛藤というようなものはなかったのかも知れません。
さらに、そもそも周囲から煙たがられるというかマイナスの目で見られることを前提として生きていた人にとっては、主夫になることは全く問題がないことなのかも知れません。
そして、さらに付け加えれば、子どもがいない家庭なので、「どうしても関わらなければならない人間」という数も限られているので、それもあるのかな、と思います。
笑える内容ですし、「シュフ」という仕事に焦点が当たるのはとても良いなと思いつつも、やっぱり最初に書いたように、彼が何故主夫になったのか、ということや、そもそも社会から排除されていたり見えなくされている存在が抱える葛藤のような部分も多少は読みたいなと思います。