映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

 特に知らない映画だったのですが、Amazonでの評価が高かったので観てみた作品です。

 


ぼくは明日、昨日のきみとデートする

 

作品データ映画.comより)
監督 三木孝浩
製作年 2016年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 111分

あらすじシネマトゥデイより)
京都の美大に在籍する20歳の南山高寿(福士蒼汰)。ある日、彼は電車で大学に行こうとしたところ福寿愛美(小松菜奈)という女性に出会い、瞬く間に心を奪われてしまう。高寿は愛美に声を掛けるが、高寿のある一言を聞いた途端に愛美は涙を流す。その理由を尋ねることができずにいた高寿だったが、その後二人は付き合うことになる。周囲からもうらやましがられるほど順調に交際が進み、幸せな日々がいつまでも続くと考えている高寿。だが、愛美から思いも寄らなかった秘密を打ち明けられる。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 原作は七月隆文の小説『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』とのことなのですが、率直に言うと僕としては「小説だったら楽しめたかもしれないな」ということです。
 僕の好きな村上春樹の作品ではSF的な要素が入りつつも、純文学として評価されていますし、僕もそれを自然に受け止めています。

 けれど、映画になると何故か僕にはそれが難しいようで、そもそもの設定として、SF的な要素と現実的な要素が中途半端に混じり合っていると、面白さを感じることが出来ません。

 具体的には、過去から現在そして未来へと進む時間軸にいる主人公高寿と高寿(と僕らからすれば)の逆の時間軸である未来から現在そして過去へと進んでいく愛美がある時に交差し、交際し、別れる、という設定が受け止められませんでした。
 受け止められなかったのは、時間軸の方向性は良いとしても、何故2人の交際期間が1ヶ月限定になってしまうのか、ということが全く説明されないからです。
 時間軸が逆の人生を歩んでいく作品としては例えば「ベンジャミン・バトン」などがあると思うのですが、「ベンジャミン・バトン」では人生の最初から最後までを追って描いています。

 けれど、この作品では何故か1ヶ月限定での出会いと交際を描いている。
 何故1ヶ月なのか。
 2人が惹かれていき、交際し、2人の時間軸の流れが逆だということへの戸惑いなどは分かるのですが、なぜ1ヶ月限定なのか。
 若いイケメンと美人の甘い恋愛物語だということが一番重要で、さらに2人が訪れる場所が映えする場所ということが重要なんだと言われたらそれまでなのですが、高校生や大学生などの10代だったらまだしも、交際とか生活を「続ける」ことが一番大変なんだよな、と実感している30代の、男子校で恋愛要素からかけ離れた生活を送っていた僕には懐かしさも憧れも感じることも出来ませんでした。

 と物語自体は特に響いてくるものはなかったのですが、子どもたちの影響で仮面ライダーフォーゼと海賊戦隊ゴーカイジャーが好きで、そして、兄と同じ高校出身の東出昌大福士蒼汰山田裕貴が出ていたので、その点が親近感を覚えるというか、俳優としてキャリアアップしてるんだなぁ、という視点で楽しめました。