映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

ヤマザキマリ『ルミとマヤとその周辺』

 先日書いたヤマザキマリさんの『ヴィオラ母さん』で触れられていたので、読んでみました。

 


ルミとマヤとその周辺(1) (Kissコミックス)

 

『ルミとマヤとその周辺(1)』(ヤマザキ マリ)|講談社コミックプラス

 

内容紹介講談社より)
誰の心にもあるはずの、思い出という、たからもの。おさない姉妹の、かわいく、やさしく、じんわりする、ノスタルジックな物語。小さな姉妹・ルミとマヤ。北国の町に住んでいます。お父さんはいません。音楽家のお母さんは忙しいのでいつも二人ぼっちです。でも、淋しくなんてありません。ノスタルジックな昭和のストーリー!

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 この作品、『ヴィオラ母さん』を読んでいるか読んでいないかで少し評価が分かれると思います。
 ヤマザキさん本人と妹さんの名前が違っていたり、お母さんリョウコさんをモデルとしたであろうママ、そして、ヤマザキさんの妹とヤマザキさんの祖母であるハルさんという家族だけでなく、近所に住んでいてよく遊んでいたという看板屋さんの子どもなど、『ヴィオラ母さん』で触れられていた人物たちが出てきます。

 お母さんとの出来事が違うキャラクターとの出来事として描かれていたりもするのですが、(僕にとっては)そんなに昔ではないにもかかわらず様々な偏見やつらいであろう出来事の中でもたくましく、あるいは懸命に生きていく子どもを中心に生きていく人たちの姿が描かれています。

 この作品の直後に、代表作となる『テルマエ・ロマエ』を描いているのですが、絵柄も全く違い、笑える内容ではないものの、こういう時代を生きてきたんだということがとても分かりやすく伝わってくる内容でした。