映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

まんしゅうきつこ『湯遊ワンダーランド』

 ストレス解消でネットでポチる傾向が相変わらず続いています。
 で、先日、ふと表示されたこの作品の評価がかなり高かったので、ついポチってしまいました。
 ちなみに、まんしゅうさんのことは以前から、というか、2012年に開設されてネット上でバズっていたブログ『まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど』を読み、その存在を知り、『アル中ワンダーランド』もブログ同様面白かったので、ポチるハードルが低かったこともあります。

 調べたら、ちょっとだけ読めるようになっていました。

完結!『湯遊ワンダーランド』3巻発売記念・第1巻~第3巻の試し読みを大公開 | 日刊SPA!

 


湯遊ワンダーランド

 

湯遊ワンダーランド|書籍詳細|扶桑社

 

内容(扶桑社より)
サウナ・水風呂・外気浴――それらをひたすら繰り返すだけ。
すると退屈で灰色だった毎日は、少しずつ熱を帯び色づきはじめた。
人気漫画家まんしゅうきつこ、お酒の次はサウナにハマる!?
◆“銭湯がある日常”が展開!
悪夢に悩まされる日々を送っていた漫画家まんしゅうきつこは、ある日、弟から「顔がよどんでる。毒がまわってる」と指摘される。「サウナに行って汗をかけ。毒を抜け」という弟の助言を受けて銭湯に通い始めるが、そこには銭湯のマナーにうるさいババア=ヌシが待ち受けていた……。銭湯を牛耳るヌシの魔の手を掻い潜り、さまざまな女湯で展開されるガールズトークに耳をそば立てながら、サウナの先に待つ“水風呂という快楽”を目指して突き進む。弟夫婦や担当編集など一筋縄ではいかない曲者も加わり、退屈だったまんしゅうきつこの日常はドライブしていく。

勝手に五段階評価
★★★★★

感想
 「湯遊ワンダーランド」というタイトルや紹介文から、サウナとか銭湯とかをメインにしているのかと思いきや、まんしゅうさんの日常を描いた作品になっています。
 理由は分からないものの、とりあえず銭湯に通う日々を過ごしているまんしゅうさんが、同居している弟さんから「サウナに行け」と言われサウナにも入るようになり、「サウナに入ったのに水風呂入らないなんて!」と言われ、サウナと共に水風呂にも入るようになり…、と確かに、銭湯やサウナを中心にしてはいます。

 けれど、銭湯やサウナが全く出てこない話の時もあるので、銭湯通いをするまんしゅうさんの日常が描かれているのですが、その描写がとても面白いです。
 銭湯での人間観察(各時間帯にいるヌシ)とその描写だけでなく、同居している弟さん夫妻との会話の内容は突っ込みドコロ満載ですし、そもそも、何故弟さん夫妻と同居しているのかとかもいちいち突っ込みたくなります。
 (2012年にブログを読んだときはまんしゅうさんは既婚者だったような…)

 いや、ホント、こういう「なんでもないような日常」をユーモアを持って描けるのって漫画家に限らずすごい才能だと痛感します。
 その意味では、僕はさくらももこのエッセイが一番最初に出会った作品でした。
 僕も(漫画は書けませんが)、いつかそういう文章を書けるようになりたいな、と思います。