映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」

 子どもたち(次男と長女)にリクエストされて観に行った映画です。
 中学生になった長男は、「ポケモンは良い」ということで来ませんでした。
 僕はあまりというか殆どポケモンのことを知らないのですが(子どもたちがやり始めて知るようになりました)、この作品は20年前(?)のリメイクだそうで、子どもたちに「お父さんは前の観たことあるの?」と聞かれましたが、それこそ長男と同じように、世間でポケモンが流行始めた時には既に僕は中学生になっていたので、クラスにTVを観ていたり、ゲームをやっている人はいたけれど、僕は観もやりもしませんでした。

 

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ポケモン映画公式サイト「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」

 

作品データ映画.comより)
監督 湯山邦彦・榊原幹典
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 98分

ストーリー(公式サイトより)
全世界に告ぐ――。
原点にして、最高峰。
「清らかな心と、会いたいと強く願う気持ち」その二つをもつ冒険者の前にだけ姿を現すという幻のポケモン・ミュウ。全てのポケモンの“はじまり”と言われ、世界中のポケモン研究者が行方を追うなか、ついに一人の科学者がミュウの化石を発見し、それを元に神をも恐れぬ禁断の行為に手を染めてしまう。
「ここはどこだ…。わたしは誰だ…。」
最強のポケモンをつくりたいという人間のエゴによって、この世に生み落とされた伝説のポケモン。その名もミュウツー。存在する理由も分からないまま、最強の兵器としての実験を繰り返されるミュウツーは、その心の中に、自分を生み出した人間に対する憎悪の念を宿していく――。
「これは、わたしを生み出した人類への、逆襲だ!」

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 リメイクされる前の作品を観たことは無いのですが、リメイクされた理由は良く分かる内容でした。
 それは、上に載せた公式サイトに書いてある内容を読むだけでも伝わるような気がします。

 僕は大学・大学院で生命倫理に関する勉強をしていたのですが、まさにそれに関する内容でした。
 20年前に主に子どもたちが観ることが分かるアニメ映画として、このテーマの作品を作っていたことに驚きました。

 人間が遺伝子などを操作して「新たな生物」を作り出して良いのか、あるいは「クローン」を作成して良いのか。
 一つの目的の為に遺伝子などを改変されて作り出された生物が、現存する生態系にどのような影響を与えるのか。

 上に書いたような難しい言葉を使うこと無く、しかし的確に、僕の子どもたちのような小学生にも伝わるように描いていました。

 また、同時に、ミュウツーが繰り返す「わたしは誰だ」という疑問は、「新たに作り出された生物」だけでなく、とても人間的で哲学的な問いです。
 自分は何者で、何故存在し、何故生きているのか。
 人類全てが考えるかは分かりませんが、これは文字や言葉が残されている当初から人類が抱えてきた問いで、僕自身も考えてきたし、今も考えている問いです。

 自分は何者で、何の為に生まれてきたのか。
 他の生物はそんな問いすら持たないようですが(参照:(異論のススメ スペシャル)「死すべき者」の生き方 佐伯啓思:朝日新聞デジタル)、それを考えているミュウツーはとても人間ぽいなと感じました。