映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

黒丸『絶滅酒場』

 度々書いていますが、普段(ラジオクラウドで)聞いているラジオ番組にSession22があります。
 その中でたまに(隔週くらい?)番組パーソナリティの荻上チキさんが漫画などを紹介しています。
 今回はそこで紹介されていた作品です。

www.tbsradio.jp

 
 ここで紹介されていた作品の内、『へんなものみっけ!』は読んだことがあり(でも感想を書いていなかったので今度書きます)、『絶滅酒場』が番組アシスタントの南部広美さんも好きだという『深夜食堂』に似た雰囲気だということで、手に取って読んでみました。
 というのも、僕も南部さんのように『深夜食堂』が好きで、今までに漫画も読んでおり映画も観て映画の続編も観てきたからです。 

 


絶滅酒場(1) (ヤングキングコミックス)

 

絶滅酒場 第1巻( 黒丸 ) | 少年画報社

内容少年画報社より)
夜の帳がおりるころ、店に静かに灯りが燈る…美人でやさしいママの元に日々の仕事や生活に疲れ酒と癒しを求めてやってくる客は皆…まさかの絶滅した生物ばかり!? 黒丸がお届けする前代未聞の絶滅酒場、衝撃の開店です!

感想
 そもそも絶滅した生物たちの存在を殆ど知らないので、「こんな生き物がいたのか!」ととても面白かったです。
 最初はとりあえず一巻だけというつもりが、すぐに続きも読みました。

 設定としては、『深夜食堂』に近く、居酒屋に常連がいつつも、一見さんや、たまに来るお客さんとして、様々な絶滅した生物が訪れます。
 彼らの悩みが絶滅した理由に絡められていたりするのですが、人間である自分とも重なる悩みだったりで、絶滅している生物に興味を抱かせるだけでなく、読んでいる人にも共感出来る内容になっているのが見事だな、と思います。

 その見事さをどうやって作り出しているのかというと、本来なら同じ時代には存在しなかった生物たちが「絶滅した生物」という大きなくくりで登場するからです。
 同じ時代に生息していた生物たちも登場するのですが、例えば、恐竜が出てきたかと思えば、100年くらい前に絶滅した生物が登場するなど様々な時代の様々な種の生物が登場します。

 一つ一つの話はシンプルでありながら、その話に登場した生物がいつの時代にいたのかなどの詳しい解説も載っていて、それも良いな、と思いました。
 僕自身はジュラ紀白亜紀のような「紀」の意味など全く分かっていなかったのですが、丁寧に説明されているだけで無く、(それを面倒だと思うであろう人に向けても)登場する生物たちがどの時代の生物なのかも分かりやすくイラストになっているのも良いなと思いました。