映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「天気の子」

 中学生になって思春期に入ったのか、面会にあまり来ることのなくなった長男に以前から「『天気の子』を観たい」と言われていました。
 なので、前売り券を買おうと思っていたのですが、前売り券がなく、ちょっと痛い出費でしたが、夏休みに入った次男から連絡があり、子どもたち3人と一緒に観に行きました。
 その日は子どもたちは午前中に習い事、僕は病院への通院があったので、昼過ぎに駅で待ち合わせし、映画を観てそのまま駅まで送りお別れ、と本当に映画だけを観る感じでした。

 次男と長女は月に一回くらいのペースで会っていますが、長男は久しぶりだったので、声変わりをしていたり(授業公開に行ったときに分かってはいましたが)、背も大分伸びていました。 

 

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youtu.be

 

映画『天気の子』公式サイト

 
作品データ映画.comより)
監督 新海誠
製作年 2019年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 114分

ストーリー(公式サイトより)
「あの光の中に、行ってみたかった」
高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。
しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。
彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。
そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。
ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。
彼女には、不思議な能力があった。

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★★☆

感想
 長男が今回「『天気の子』を観たい」と言っていたのは、「君の名は。」が気に入っていたからで、僕も新海誠さんの作品は、「君の名は。」以外にも「秒速5センチメートル」、「言の葉の庭」を観てきました。
 なので、僕もこの「天気の子」は観たいなと思っていたので、ちょうど良かったのですが、「君の名は。」は次男と長女には(当時)難しかったようなので、この作品はそういう意味で大丈夫か少し不安を感じつつ観に行きました。

 結果的に、一番小さい長女も小学2年生ですし、難しくて分からないというような場面はなかったと思うのですが、逆にそれが違う意味で問題でした。
 その「問題」についてはあとで書くとして、内容についてですが、僕は少し納得がいかない場面が多く感じました。
 ネタバレになりますが、最終的には、異常気象により関東だけ水面が上がるのですが、それが「おかしくない?」と思わずにいられませんでした。
 それまでの展開も「おかしくない?」という場面はいくつかあって、それぞれ気になる人もいると思いますが、僕が最後まで納得がいかなかったのは、関東(特に東京湾周辺)だけ水面が上がるという設定です。

 水面が上がるので、海に近い場所は悉く水没するのですが、水没するとしたら、東京だけではなく、世界中で起きるわけです。
 この点だけがかなり気になるというか、「おかしくないか?」と最後まで納得出来ませんでした。

 ですが、そういう設定のおかしさは気になりつつも、とても良かったのは、「会いたい人がいて、なんとしても会いに行こう」とする主人公・帆高の姿です。
 帆高の行方を訪ねに来た刑事が言ったセリフがとても響きました。
 

「そこまでして会いたい子がいるってのは、私なんかにゃ、なんだか羨ましい気もしますな。」

 
 どうしても会いたい人がいる。
 映画を見終わり、子どもたちの最寄り駅まで送る中、長男と次男は映画についてあれこれ感想を言っていましたが、長女はずっと黙っていました。
 映画を観ている最中も、帆高が阻まれながらも陽菜を探し、会いに行こうとする場面で隣りに座る長女が何度も鼻水をすすっているのは分かっていました。

 長男と次男は、僕が離婚し、離れて暮らしていることをある程度受けとめることが出来ているようなのですが、長女はまだ受け止めきれていないのかな、と感じています。
 特に長女は保育園の行事に必ず僕を指定するほどの(お母さんと接する時間が少ないので「お母さんに来てもらったら?」と言っても)、お父さん子でした。

 お父さん子ということを抜きにしても7歳にはまだ受け止めることは難しい現実なのかも知れません。
 時間の針を戻すことは出来ませんし、元配偶者といても僕は幸せになることは出来ないことはわかりきっているので、2年前の5人での暮らしに戻ることは出来ませんが、長女との親子関係はこれからも続いていくので、「続けていく」ということを通して、少しでも受け止めてくれたら良いな、と思います。