映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

「バースデーカード」

 この作品も先日書いた「今夜、ロマンス劇場で」と同じ理由で、(かなりメンタルがやられていて、うつの症状で文章が頭に入ってこないので)日本語の映画が良いな、ということで選びました。
 この作品もレビュー数は「今夜、ロマンス劇場で」ほどはありませんが、Amazonプライムでの評価が高かったので観てみました。 

 


バースデーカード

 

Birthdaycard Movie | Official Site

 

作品データ映画.comより)
監督 吉田康弘
製作年 2016年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 123分
映倫区分 G

ストーリーOfficial Siteより抜粋)
21世紀のキに、子どもと書いて紀子。いま、この時代に、確かに私という人間が存在した、という意味を込め、パパが付けてくれた名前です。
小学生時代のあだ名は「泣き虫のりこ」。引っ込み思案な性格で、クラス対抗のクイズ大会では、パパとママ、弟の正男と家族総出で協力してくれたのに、勇気が出せず一問も答えられませんでした。落ち込む私をいつも励ましてくれるのがママでした。優しくて、明るくて、そんなママのことが大好きでした。
このままずっと隣にいて安心させてくれる、と当たり前のように思っていました。10歳の誕生日までは・・・。
ママは病気に勝てず天国に行ってしまったのです。
ママと過ごす最後の年になってしまった10歳の誕生日。ある約束をしました。それは20歳を迎えるまで私たち姉弟に毎年手紙を贈ること―。
そして翌年、母がいない11歳の誕生日に、本当に手紙が届きました。
“11歳ののんちゃんへ これからのんちゃんが20歳になるまで、毎年手紙を贈るので楽しみにして下さい”

勝手に五段階評価(基本的に甘いです)
★★★☆☆

感想
 この作品に対して高い評価を付ける理由は理解出来ました。
 若くして亡くなる母、その母が子どもたち2人に、それぞれが20歳になるまで毎年のバースデーカードを用意しておく。
 そのバースデーカードを読んだ長女・紀子を軸にして10歳から結婚するまでの十数年間を描いています。

 感動する人の気持ち、若くして亡くなること、小さな子どもを残して亡くなること、それでも何かを残そうそうとバースデーカードを残すこと。
 それを読み揺れ動く紀子の姿。

 けれど、実際に子どもたちが大人になるまでの手紙を書いたことがある自分としては、なんだか引いてしまいました。
 僕は、初めてうつ病になったとき、元配偶者に「死ぬなら、子どもたちに手紙を書いて」と言われ、書いたことがあります。
(自分から言ったのに、「書いたよ」と言ったら、元配偶者はかなり動揺していましたが…。)
 今でもその手紙は僕の手元にあります。
 その後、寛解し、まさかもう一度うつ病になるとは思っていませんでしたが、捨てることも出来ず、残しています。
 今はまたいつ死んでもおかしくない状態にいるような気もするので、残しておいて良かったとも思っています。

 で、何が言いたいのかというと、実際に同じようなことをした経験がある身としては、「感動ポルノ」的な物語の展開と内容に逆に引いてしまったのです。
 「これは泣けるでしょ?」と言われてるような。
 いや、マジ、死にそうな身としては、そんな余裕ないから。

 それと、ラストが「結婚式」というのも気になりました。
 かなりネタバレになっちゃうので詳細は書きませんが、「結婚式」をラストにすること自体がこの時代どうなのか、とか、恋人=彼氏(男性)となっていたり、なんだかそういうところもモヤモヤしてしまいました…。