映画と本と自分と山

映画が半分、残りは本と自分、時々山登りについて

高松美咲『スキップとローファー』

 いつも(ラジオクラウドで)聞いているラジオ番組、 アフター6ジャンクションでマンガが紹介されていました。
 レビューの評価も高く、まだ2巻ということもあり、手に取って読んでみました。

 

www.tbsradio.jp

 


スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)

スキップとローファー|アフタヌーン公式サイト - 講談社の青年漫画誌


作品紹介アフタヌーン公式サイトより)
過疎地から東京の高偏差値高校に首席入学した美津未。本人も気づかぬうちにみんなをほぐす彼女は天然のインフルエンサー
岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです! 

感想
 僕は学校で働いていましたが、学校が好きではありません。
 というか、嫌いです。
 何故かというと、小学校高学年から中学校までが本当にイヤでたまらなかったからです。
 例えば、性別で基本的な評価を変える教師(女)がいたり、窓側の席だった中学1年の時、西陽がまぶしく、暑かったので席を立ち、カーテンを閉めたら「何でお前は何も言わないで席を立ったんだ!?」「何か言うことはないのか!?」とすごんできた社会科教師(男)がいて、無理矢理謝らされたり。
 教師だけではなく、女子と仲良く話していただけで、「女好き」と言われたり、今で言うスクールカーストのようなものがあって、下位に位置づけられないように繕っていたこと。
 他にも、今はそんなことはないのですが、地毛が茶色っぽかったので、何度「お前髪染めてるだろ?」と言われたことか。

 そんな何もかもがイヤでたまりませんでした。
 なので、高校に入ったとき(校舎も変わり、ハードもソフトも今は全く違う学校のようですが)男子校で、さらに制服もなくどんな恰好だろうが(暑いからと言って体育の後とかにパンツだけの姿は注意されたり(僕じゃないけど)、サンダルは危ないからやめた方が良いのではと言われることはありましたが)、髪を染めていようが、ピアスをしていようが、自由だったので、本当に楽でした。
 女子がいなかったからかスクールカースト的なものもなく、ちょっと(じゃないか)やんちゃなグループ、アニメ好きなグループなどありましたが、別にそれはそれと言った感じで、本当に解放された気がしました。
 教師たちも、やることやっていれば特に何も言ってきませんでしたし、(個人面談で「お前の列(クラス替えと席替えがなかったので2、3年生の2年間、僕は一番後ろの席でした)はいつも寝てる」とは言われましたが)本当に自由でした。
 そのおかげで逆に自由には自分で何もかも決めないといけないことや、責任を取る必要が出てくることを学べました。

 だからといって、高校生活だけで学校が好きになれたかというと、そんなことはなく、小学校高学年から中学校までのイヤな出来事は今でも引きずっています。
 学校で働き始め、生徒たちの様子を見て、あぁ、この学校にいたら僕も楽しかったかも知れないな、と思う出来事があったこともありますが、やっぱり学校は苦手です。

 30代半ばにもなって学校に対してそんな気持ちをいつまでも引きずっていているのですが、「こんな人たちが周りにいたら、こんな学校生活を送れたら、楽しかったかも知れないな」と、この作品を読んで思うことが出来ました。

 内容は上に載せた作品紹介にあるとおり、地方の過疎地からやってきた東京の進学校へ主席で入学した美津未を中心にした学校生活・人間関係が描かれています。
 嫌みをいわれているのに、それが嫌みだと気付かずにいたり、だからこそ、苦手だなと思っている人同士を近づけることが出来たりする。

 「天然」というと、バカにするような意味もあると思いますが、その「まっすぐさ」が本当に周りのクラスメートたち、そして美津未自身をハッピーにしていて、それを読む僕もハッピーな気持ちになれました。